SSブログ

お詫び&記事紹介 [教育基本法]

夏から秋へと向かい気候が不安定ななか、体調を崩してしまいました。自分では打たれ強いと思っているのですが、私には分不相応なブログの賑わいも多少重荷になっていたのかもしれません。
前の記事にもたくさんのコメント(励まし、アドバイス、反論すべて含めて)をいただき、話も途中になっていますのでお返事から書きたいのですがパワーがありません。体調が回復するまで、たぶん数日間くらい、更新をお休みさせてください。

再開後には、女衒の辰さんが提案くださったように、原点に戻って教育基本法をもう一度、みなさんと「学ぶ」ことをしてみたいと思います。そこで、教育基本法の議論のなかでも大きな問題となった愛国心について、私が共感を覚えた記事を紹介してみます。

神戸女学院大教授でフランス哲学者の内田樹さん(確か先日、「私家版・ユダヤ文化論」で小林秀雄賞をお取りになりましたね)のブログから、愛国について語るのはもうやめませんかです。

ぜひ全文読んでいただきたいのですが、少しだけ引用させていただきます。
・愛国心教育は構造的に人々の愛国心を毀損するからである。
私は愛国者であり、たぶん安倍首相と同じくらいに(あるいはそれ以上に)この国の未来とこの国の人々について憂慮している。
日本人はもっと日本の国土を愛し、日本のシステムを愛し、日本人同士もっと愛し合わねばならない。
私はそう思っている。
しかし、もしこの願いをすこしでも現実的なものにしようと思ったら、「愛国心」という言葉の使用はできるだけ回避した方がよろしいであろう。
私はそう思う。
なぜなら、「愛国心」という言葉はそれを口にした人間に必ずや祖国のシステムとある種の同国人に対する憎悪の感情を備給せずにはおかないからである。

・歴史が教えるように、愛国心がもっとも高揚する時期は「非国民」に対する不寛容が絶頂に達する時期と重なる。

・そういうお前は愛国者なのか、と訊かれるかもしれないから、もう一度お答えしておく。
そういう話を人前でするのは止めましょう。
現に、愛国心をテーマに書き始めたら、私もまた「愛国心」のありようを私とは異にする同国人たちに対する罵倒の言葉を増殖させ始めている。
愛国心についてぺらぺら語ることは結果的に同国人を愛する動機を損なう。
真の愛国者は決して「愛国心」などということばを口にしない。
ことばじゃなくて、態度で示す(同国人に対するいわれなき身びいきとかで)、ということでいかがでしょうか。
*******************************************

内田さんはやや逆説的で諧謔味あふれる独特の文章を書かれます。私など凡人が及びもつかない論旨の展開をされ、慣れないとちょっとびっくりされるかもしれません。私は内田さんの本を何冊か読み、根底にある思想とともに、そういう文体も大好きになりました。

教育基本法第二条・5項の「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」。この「我が国と郷土を愛するとともに」は、多分に自民党(愛国心をストレートに出したい)と公明党(それには抵抗がある)の妥協の産物なのですが、意味するところは愛国心だと理解しています。

私が最初にこの条文を読んだ時に感じた違和感を内田さんは、的確にそして読み応えのある文章にまとめてくださっていると思います。

私がこの条文に反対する理由のかなりの部分はここにあります。



このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。