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【超緊急】今日まで− 教育振興基本計画へのパブリック・コメント [教育基本法]

教育振興基本計画への意見提出は本日中です。私は昨日から慌てて書き始め、「1項目に1メールにしてください」ということだったので、メールを分けて書いてみると(けっこう面倒!)7通になりました。

ツッコミどころ満載の計画なので、それでも全然言い足りません。私はおおざっぱな性格のくせに妙なところで融通が効かず、律儀に1ページ目から書き始めたら、肝心の各論のところで息切れして短い文章になってしまいました。もし、今日書いてくださる方がいたら、一番言いたいところから順番に書かれることをお勧めします(私がとろいだけで、普通そうされるでしょうか)。

昨日書いた項目について挙げておきます。
全般について:これは先日の学習指導要領について送ったものと似た内容になりました(ブログに掲載しています)
計画策定という事業そのものに対する疑問:前のブログにも書いたように、そもそも国がこういう計画を策定することの是非について、専門家の間でも反対意見が述べられています。その点および、策定するにしても「教育の条件整備」にとどめるべきではないかと書きました。
公聴会について:全国2カ所で公聴会を開くということです。公聴会と言えば、昨年のいまごろ、教育基本法の公聴会で大多数の公述人が反対または慎重審議の意見を述べたにもかかわらず、全く審議に反映されなかったという忘れることはできません。いまでも恨んでいます。この件について、くれぐれもそういうことのないように、意見を聞きましたというアリバイ作りにしないように要望しました。
「優れた教員を確保するための優遇措置の維持及びメリハリのある給与体系の実現」:教育の場で先生方に対する成果主義はデメリットが大きいと思います。教育は究極的には校長から一般の先生全員を含めたチームワークであり、誰が何ポイント獲得したなどという発想とは最も遠い分野でしょう。教員の質の向上を目指すならば、例えば養成課程で大学院修士課程卒を原則とするなど、より根本的な方法を考えるべきだと思います。
「教育費負担を軽減する」「幼児教育の無償化の検討を含む保護者負担の軽減」「教育課題に対応するために必要な教職員定数の措置等」:予算を使ったこういう教育条件の整備・向上こそが国のするべきことであり、内容への介入は最小限度にするべきだと思います。
「人材育成に関する社会のニーズに応える」:国際競争力、企業との連携、国際的に通用する・・・、グローバル化のなかで・・・などの文言がたくさん使われていますが、○○のための人材を作るというのは教育の第一義ではないはずです。一人ひとりの子どもが自由に学んで知的にも感情的にも解放され、幸福な人生を歩む基盤となるべきです。産業界の下請けのような教育方針には反対です。
「規範意識を養い、豊かな心と健やかな体をつくる」:規範意識や公共の精神がかなり強調されていますが、それを直接的に言い聞かせるのでは効果は限られているように思います。学校や先生方の前では求められる「態度」を示す子どもが多くなるかもしれませんが、心の底から身につくでしょうか?私は非常に疑問を感じます。
 日本の子どもが荒れやすいと言われる大きな要因の一つは自分を好きな率がたいへん低い、つまり自尊感情が低いことではないかと考えます。自分を肯定できない子どもが他人に対して優しくなれるわけがありません。国際調査でも日本の子どもの自尊感情は目立って低く、国連からも「過度に競争的環境に置かれている」という警告を受けています。その上にさらに、評価と競争を軸とした教育計画が実施されると、事態はさらに悪化すると思います。

以上のようなポイントで書きました。まだ、教員免許更新制など、いろいろと書きたいことがあるので、今日時間を見つけてできるだけ書いて提出します。

ところで、成果主義は企業においてもうまくいっていない面が多いという記事が昨日の日経BP社のHPにありました。読者アンケートを基にしたもので、タイトルは刺激的で「このままでは成果主義で会社がつぶれる」です。一日たちましたので、会員登録しないと読めないかもしれませんが、アドレスを挙げておきます。→http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q4/554572/
こんな発想を競争や市場原理、成果主義とは全くなじまない教育の場に持ち込もうとする政府のやり方に強い怒りを感じます。


2007-12-11 10:02  nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(3) 

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Ladybird

 maiさん,こんばんは.
 質の高いブログを維持されていますね.kimeraさんも,教育の問題はmaiさんのブログで,と書かれていました.
 あまり関係ないけど,シカの問題をトラックバックさせて頂きました.
by Ladybird (2007-12-12 22:35) 

mai

過分な言葉をありがとうございます。もっと勉強しなくてはいけないと思っているのですが、事態がどんどん動いていくので、何とか追いついていくので精一杯です。小さな子がいるので、週末の講演会や勉強会で、行きたいもののうち8割方は出席できず、そこが辛いところです。kimeraさんも頑張っておられますね。毎日か隔日くらいで拝見しています。

シカの個体数についての記事、読ませていただきました。これまでにもイノシシやクマなどで同様なニュースを読むたびに「それで本当に根本的な解決になるの??」とたいへん疑問でした(動物を「殺す」ことに対する感情的な抵抗感がベースにありますが)。Ladybirdさんの記事をきっかけとして、もっと論理的に考えることができそうです。ありがとうございます。
by mai (2007-12-13 10:08) 

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