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教育基本法改正反対集会から1年たって(1) [教育基本法]

ようやく体調が7〜8割方戻りました。この1週間、仕事・育児・家事でどうしても欠かせないことだけをして、あとはゴロゴロしていました。今日もこれから2時間くらい休めるので寝ておこうかと思いましたが、1週間も書いていないと、やはり落ち着かず少しでも書きたくなり(ブログ執筆依存症??(笑))、エイっと意を決してPCの前に座りました。

前回、前々回の記事に励まし、アドバイスをくださった方、本当にありがとうございました♪ぜひお一人ずつお礼や感想を申し上げたいです。次回かその次くらいの記事で書かせていただきたいので、それまでお返事が遅れることを許してください。東西南北さんとWAKUWAKU_44さんのやりとりは、病気の身にはちょっときついので、全部は読ませていただいていません。東西南北さんから削除の依頼をいただいたのは拝見しましたが、その上の部分をまだ読んでおらず、事情がのみこめていませんので、もうちょっと元気が出てからということで、こちらもしばらくお待ちください。

さて、私のこんな個人的な不調など大した問題ではなく、国会が始まったり沖縄の集会があったり、世の中は動いていて、書きたいことはたくさんあるのですが(頭のなかはあまりまとまっていません(^_^;))、明日は私と教育基本法との関わりにとって大切な日なので、ちょっと振り返ってみます。このブログのコメント欄に対する私の煮え切らない態度??の原因にも、あとの方で触れることになると思います。

ところで、他のブロガーさんでも体調を崩しぎみの方は何人かおられるようで、あの有名なきっこさんは10月1日の記事で過労と栄養失調の上に風邪をこじらせて何とICU!に入っていたと書いておられます。季節の変わり目で体調管理が難しい時期かもしれませんね。これまで安倍内閣に反対して頑張ってこられた方々がいちおう内閣が替わり(と言っても難問山積状態には違いないのですが)、ほんの少しだけホッとしたのと同時に、これまでたまった疲れがドッとでているのではないでしょうか。私が言うのも変ですが、みなさん、くれぐれも無理をなさらず、長期戦でやっていきましょう。

さて昨年の明日、10月7日は教育基本法改正反対の集会に参加しました。それまでそういうことに縁がなかった私にとっては、集会も初めて、デモ行進も初めてという記念すべき?日になってしまいました。これはいろいろなところに書いたり話したりしているので、繰り返しになると思いますが、私は安倍氏が自民党総裁に選ばれて「教育基本法改正が最大の課題」としているということを読み、「うちの子もそのうち学校へ行くし、実際に何がどう変わるんかいな?なんか愛国心とか言ってたけど、押しつけはいやだな」というくらいの軽い気持ちで47年法と現行法を読み比べたのですが、「こんなの子どもたちのための「改正」じゃない!国に都合のいい国民を作ろうとしているだけだ」と、ものすごく憤りを感じたのでした。

話は集会のことに戻りますが、そう言えば、この季節が異常に苦手な私は、昨年のいまごろも体調を崩していて10月6日に点滴を打ってもらって、それでも家でじっとしておられず、翌7日に集会に参加したのでした。今年とは全く違ってとても寒い日で、あわてて冬用のコートを出して着て行ったことを覚えています。

その場で講師をされたのが以前の記事でも紹介した名古屋大学教育学部の植田健男教授でした。寒い上に小雨がちらつく戸外での講演に植田先生は「これほど苛酷な条件で喋ることは珍しいのですが・・・(笑)」と言っておられたことを思い出します。

そこで初めて耳にしたのが、教育基本法改正の背景にある「公教育スリム化論」です。以下は植田先生のお話を中心に、あとはいろいろなところから収集した情報です。みなさん聞いたことがあると思いますが、三浦朱門氏の「勉強ができん者はできんままで結構。せめて実直な精神を養え」や江崎玲於奈氏の「教育なんて能力に応じてやればいい。そのためには就学時検診で血を採って遺伝子検査をすればいい」などという発言は、個人の勝手な感想を言っているのではなく、政府や文科省の方針に沿った内容だったのです。

政府や文科省にそういう「提言」をしているのは経団連などが中心となった財界です。植田先生の言葉をお借りすれば、「これからのグローバル競争時代には、学校を出た子どもたち全員を正社員として雇用することはできない。日の丸を背負って世界へ出て行って競争してもらうエリートは3割でいい。残りの7割は柔軟雇用型でいきたい。そうであれば、7割の子どもたちには読み書きができて為政者の言うことがわかる最低限の教育でいいではないか。7割の子どもにかける教育費を削減してエリートを要請し、教育費全体も削減しろ」という主張をするようになったのです。柔軟雇用型と言えばわかりにくいのですが、要するに派遣、請負、パート、アルバイトなど、企業の都合によって人員調整をしやすい雇用形態です。

そういう公教育スリム化論と安倍氏、大きく言えば自民党の持論であるナショナリズムが合体したのが教育基本法政府案(現行法です)の理念です。公教育スリム化論は一足先にゆとり教育として実施され(注:私はよく工夫された総合学習には大いに賛成です)、不評を買ってまた授業時間を増やそうという動きですが、注意しなくてはならないのは、削減後に元にもどした教育内容は「発展的学習」とされ、基本的に「できる子だけがわかればよい」とされていることです。しかも、習熟度別学級が導入され、上記の三浦氏のように「できない子はできないままで」という状態はさらに助長されようとしています。
*******************************************

書くつもりのところにたどりつく前に、けっこう時間を取ってしまいました。復帰後ということで無理をせず、今回はここまでとします。


2007-10-06 12:21  nice!(0)  コメント(13)  トラックバック(0) 

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女衒の辰

maiさんへ
 お元気になられたのは何よりです。

 これからは、このブログの命題である「教育基本法」を一緒に学んで行きたいものです。
 
 門外漢の私にも分かるように色々お教えいただきたいものです。

 
by 女衒の辰 (2007-10-06 17:37) 

ayu15

ある程度回復されてよかったです。全快しますように。
by ayu15 (2007-10-06 20:54) 

mai

女衒の辰さん、ayu15さん
ご心配おかけしました。何とか徐々に回復しています☆

>女衒の辰さん
教育基本法について、思いはあふれるほどあるのですがそれだけに自分自身まとまっていない面もあり、まだまだ勉強途中です。ぜひ一緒に学んでください。女衒の辰さんの今日の日記の内容には全面的に賛同します。中村哲さんの言葉については近々取り上げたいと思っています。中村さんは民主党の小沢代表にも面会して現地の事情をお話しされたそうですね。民主党の方針に反映されることを祈っています。

>ayu15さん
たくさんの励ましをありがとうございます♪本当に勇気づけられました。そちらのブログにもまたお伺いします。またよろしくお願いします。
by mai (2007-10-06 21:09) 

薩摩長州

こんばんわ、maiさま。少しは元気がでてきたようで、よかったよかった。

中村哲さんの名前に反応です。すごい人のようですね。私は、遠い昔の師匠であった松尾氏のメルマガで知りました。平和憲法を頂く日本の国際貢献のあり方を考える大きな契機となりました。腹の据わった本当にすごい人だと、そして、国をこえた真心こそが、とても大切であると思ったしだいであります。http://www.kyoto-seika.ac.jp/matsuo/magazine/backnumber/11.html

ひきつづき、ご自愛なさってくださいませ。
by 薩摩長州 (2007-10-06 22:40) 

東西南北

 運動の質を大切なさってください。量は自分の都合がありますから無理せず進めてくださいませ。無理すると質まで失われます。

 さて、「三浦朱門氏の「勉強ができん者はできんままで結構。せめて実直な精神を養え」や江崎玲於奈氏の「教育なんて能力に応じてやればいい。そのためには就学時検診で血を採って遺伝子検査をすればいい」などという発言は、個人の勝手な感想を言っているのではなく、政府や文科省の方針に沿った内容だったのです」

 というのは、wakuwaku_44の強固な言論内容でもあるので注意してください。彼は、雇用のミスマッチを防止する見地からも、人間を機械の部品のように考えており、職業選択の自由よりも、職業適性を優先させる、すなわち、遺伝子検査等の適正検査で高等教育では専門職業人を養成せよと主張しております。 それが本人のためだとまで言い放って「いるのです。
by 東西南北 (2007-10-06 23:07) 

wakuwaku_44

maiさん、体調を壊すほどブログをする必要はないですから、気が向いたらって感じでいいんじゃないですか?別に義務じゃないんで。

そのお話は私も知っていますが、正直言って、私はピンと来ていないのです。以下、三浦氏や江崎氏の土壌でお話しますので、「個人の視点がない」発言となりますが、その点はご容赦を。(個人の視点での話は、maiさんと対立するものではないと思いますので割愛します。)

おそらく三浦氏や江崎氏は「科学者・金融業界・商社」に限定して「エリート」を考えているんじゃないだろうかと思っています。
確かに、そうした分野のエリートの育成も大切なんですが、かつて「金の卵」と呼ばれた中卒の人たちが、国際競争力を高め、日本を世界第二位の経済大国にのしあげた高度経済成長期の原動力となったことをお忘れなのかな、と思ってしまいました。
麻生太郎氏が、資源のない新興の小国日本が、大国ロシアを破った日露戦争の原動力が「教育」と言っているように、「初等教育における質の高い教育」は、個々の質を高め、国の総合力を高めるわけです。「できない子はできないままに」では、「底上げ」ができないわけですから、日露戦争の勝利も高度経済成長もできるような国力はつかない、というわけです。

第一、「エリート」を必要とする分野は「産業すべて」といっても過言ではありません。ところが、経済が豊かになり、平成不況に陥って「安定志向」が増えたため、実は「エリートが不足している分野」が発生しています。
それは『職人さん・技術屋さん』です。
大量消費やコストカットは規格品や標準品を安く作ることで対応しますが、コストカットや需要が限界に達すれば、この方向性はそこで終了です。今後の世界経済は、「デザイン」「利便」「機能」「品質」「オリジナル」という「多様性」「カスタマイズ」を付加して求めてくるわけですから、こうした「職人さん・技術屋さん」といった需要は増えてきます。
そして、「腕やアイデアだけがものを言う」分野は「エリートしかできない」、言い換えれば「全員エリート」なのです。(じゃないと、売り物にならない。)そして、マンパワーがメインであり、合理化できないものでもあります。
また、厄介なことに、金融や商社と違って、「カネが取れるプロ」になるまで時間がかかる。アルバイト感覚での職人さんでもない限り、こうした分野は「人材難」なんですね。

と、ここまでエリートについていっておきながら、実際のビジネスは「別にエリートでもない人たち」によって「すごい事業を成し遂げた」という事例が、エリートが取り組んだ事例よりも遥かに多く、逆に、エリートでなくてもすごい事業を成し遂げられる環境にあるからこそ、エリートがエリートとして大きなビジネスを展開できるわけです。(つまり、それだけ経済力がある、ということです)

そうしたビジネス事情を知っている人からすれば、「エリートは3割いればいい」というのは、逆に理解に苦しみます。
by wakuwaku_44 (2007-10-07 15:22) 

mai

>薩長土肥さん
コメントありがとうございます。松尾先生のメルマガ拝見しました。私は以前から中村さんのお名前や短い文章は知っていたのですが、メルマガ中に紹介されている本はまだ読んでいません。早速、買って読んでみます。ありがとうございます。うろ覚えですが、日本のジャーナリストが取材に行ったとき、「中村さんと同国人ならば大切にしなくては」ということで攻撃も受けず丁寧に扱ってもらえたという話も読んだことがあります。それだけ、地域では大きな存在のようですね。

>東西南北さん
運動の質を大切なさってください。量は自分の都合がありますから無理せず進めてくださいませ。無理すると質まで失われます。
アドバイスありがとうございます。政治や経済の専門家ではなく「質」と聞くとたいへん面映ゆい気持ちですが、勉強しつつ発信するという気持ちでやっていきます。

>WAKUWAKU_44さん
コメントありがとうございます。ご意見に反対ではないのですが、非正規雇用が増えてしまった現在の雇用情勢を考えたとき、彼らの発言が荒唐無稽というわけではないと感じます。
ちなみに、カナダではすでに記事中に挙げた数字通り、正規雇用3割、非正規雇用7割が実現していると移住者が書かれた本で読みました。日本の将来像かもしれないと思います。
by mai (2007-10-08 17:41) 

wakuwaku_44

maiさんへ

そうですね。政策としてその方向性で行くかどうか、ということについては、確かに懸念しなければならないと思います。それは同意です。

ただ、これはみなさん勘違いしている部分ですが、株価というのは、「利益と配当」で決まるものではないのです。

A社とB社の2つの企業があるとします。

A社 「昨年度売上4億円・利益4000万円・配当400万円」「今年度売上3億円・利益3000万円・配当300万円」
B社 「昨年度売上1億円・利益1000万円・配当100万円」「今年度売上2億円・利益2000万円・配当200万円」

「利益と配当」だけで見れば、確実にA社に人気が集まります。
ところが、実際はB社の方が買われ、A社が売られます。

これは、A社は「将来性がない。今後下がるだけじゃないか。」と判断されてしまい、B社は「今後伸びることが期待できる。」からです。

「売上」とは「市場における存在価値」です。「事業の拡張」には「社員の増加」を必要とします。「利益率」は「効率性」を示し、「利益額」は「実際のパワー」を示しています。
従って、「売上も費用も増えた。利益率が上がり、利益額も上がった。」という状態が「最も将来性がある企業」なのです。そして、その「売上・利益」は「質た高く、モチベーションが高い社員」がいないと達成できないのです。

つまり、投資家サイド・企業サイドからみても、「正規雇用の増加」や「初等教育の充実」「底上げ」は、経営にプラスになる、ということであって、江崎さんや三浦さんが述べたことというのは、なんか腑に落ちないんですね。
by wakuwaku_44 (2007-10-09 23:52) 

東西南北

 wakuwaku_44。だったら、大企業の利益を「初等教育費」と「人件費引き上げに回せ」といわないのは何で?「初等教育費の充実」「人件費ひ引き上げ」の財源示してよ。
by 東西南北 (2007-10-10 00:49) 

wakuwaku_44

東西南北氏のコメントですが、私が発言した内容を東西南北氏はまったく理解しておりません。
「トレードオフの関係」を「金持ちはさらに金持ちに、財源は庶民増税でやれ」という意味にしか捉えないような思考の人が理解できる話ではありません。私の発言を正しく理解してから反論してください。
by wakuwaku_44 (2007-10-10 13:07) 

wakuwaku_44

あと、東西南北氏は、私を完全に呼び捨てにしておりますね。それのみならず「削除してください」という不当な要求までしております。
こんな非礼で非民主的な態度をとる人とは、基本的にお話したくありませんし、話をする必要はないと考えております。

ただ、東西南北氏の身勝手極まりない、自己中心的な不当な発言によって、私の発言が誤って理解される危険がありますので、それに関しては対応いたしております。
by wakuwaku_44 (2007-10-10 13:10) 

東西南北

 wakuwaku_44。また独裁病が発生してますよ。君が何度、東西を呼び捨てにしましたか?自分はよくて、他人はだめっていうのが独裁です。わかる?証拠ならいくらでもあるけど、呼び捨ての。それから、君が東西のコメント排除を要求した証拠もあるんだよ。しかも、君が他人の言葉づかいをあれこれいう人間でないことも明らかな証拠がある。まずは、自らが誠実に謝罪してから他人のことをどうのこうのいうべきだというのが礼儀ですね。

 大企業の利益を「初等教育費」と「人件費引き上げに回せ」といわないのは何で?「初等教育費の充実」「人件費ひ引き上げ」の財源示してよ。

 結局、具体的な質問に回答したら、非民主的な本性がバレるから、質問から逃げるのがwakuwaku_44です。

 簡潔に回答できる質問ですからねー。
 
by 東西南北 (2007-10-10 23:21) 

wakuwaku_44

>wakuwaku_44。また独裁病が発生してますよ。君が何度、東西を呼び捨てにしましたか?自分はよくて、他人はだめっていうのが独裁です。わかる?

そっくりそのままお返しします。

>しかも、君が他人の言葉づかいをあれこれいう人間でないことも明らかな証拠がある。まずは、自らが誠実に謝罪してから他人のことをどうのこうのいうべきだというのが礼儀ですね。

これもそっくりそのままお返しします。

>大企業の利益を「初等教育費」と「人件費引き上げに回せ」といわないのは何で?「初等教育費の充実」「人件費ひ引き上げ」の財源示してよ。
>結局、具体的な質問に回答したら、非民主的な本性がバレるから、質問から逃げるのがwakuwaku_44です。

こういうあからさまな嘘八百を並べ立てる人間に対して、本来は敬語を使う必要もないし、敬称をつける必要もございません。
by wakuwaku_44 (2007-10-10 23:31) 

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