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佐藤議員に対する公開質問状への賛同者を募集中です [戦争と平和]

前回記事でも書きましたが、参議院議員佐藤正久氏、そしてイラクへの自衛隊派遣時の責任者であった小泉前首相、現責任者である安倍首相に、3弁護士ほか賛同者約150人が、8月16日づけで公開質問状を送付しています(安倍氏に対しては要望書の形式です)。その質問状および要望書について、現在も引き続いて賛同者を募集中ということですので、お知らせします。

News for the People in Japanというホームページのこちらから署名、コメント送信ができます(ホームページでは2段目の右上あたりにあります)。

長文ですが、以下に質問状および要望書を掲載しておきますので、賛同していただける方はどうかお願いします。


              公開質問状

                           2007年8月16日

参議院議員佐藤正久殿

 私たちは、平和を希求し、あらゆる戦争を廃絶することを願っている市民の有志です。

 貴殿は、集団的自衛権に関する政府の有識者懇談会に関するJNNの取材に対して、イラクに派遣された陸上自衛隊の指揮官だった立場から、当時現場では、事実上の「駆けつけ警護」を行う考えだったことを明かしました。

 JNNの取材結果を伝えるTBSニュースによると、貴殿は、「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います」と述べた上、もしオランダ軍が攻撃を受ければ、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだったと説明し、その理由として、「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。目の前で苦しんでいる仲間がいる。普通に考えて手をさしのべるべきだという時は(警護に)行ったと思うんですけどね。その代わり、日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」と発言しています。

 上記報道が正しければ、貴殿の言う「巻き込まれる」行動は、外形的には、正当防衛・緊急避難の状況下での攻撃を導くものですが、それは意図的に緊急状態を作出したうえでの攻撃であり、実質的には、正当防衛・緊急避難の要件を満たさず、自衛隊法に違反するばかりか、憲法9条をないがしろにするうえ、自衛隊派遣の国会決定の意図を超えた行動を行うものでありシビリアンコントロールをも無視する許し難い行為というほかありません。

 しかも、貴殿は、「日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろう」と発言しているとおり、貴殿は「巻き込まれる」行為が違法であることを認識しつつ、法を犯す決意でいたことは明白です。

 そこで、貴殿に対し、次のとおり質問します。
 
 1)TBSのニュースでの貴殿の発言は報道のとおりで間違いないでしょうか。
 2)その場合、貴殿は、貴殿の予定していた「巻き込まれる」行動を現在でも肯定しますか。
 3)なぜ、貴殿は、巻き込まれてまで攻撃しようとしたのですか?その狙いは端的に何なのでしょうか。
 4)貴殿の予定していた「巻き込まれる」行動は、違憲違法なもので、シビリアンコントロールにも反するものだと思われますが、貴殿は違憲違法なもの、シビリアンコントロールに反するものだと考えますか。考えないという場合、その根拠をお示し下さい。
 5)貴殿は、国会議員として、自衛隊が海外に派遣された場合、今後も、「巻き込まれる」行動をとることに賛成しますか。
 6)「巻き込まれる」行動によって攻撃を開始すれば、当然、貴殿の部下の生命が危険にさらされることになりますが、自衛隊法に違反してまで、現地の部隊長の判断で部下の生命を危険にさらす行為について、貴殿は肯定されるのですか。
 7)満州事変のきっかけとなった柳条湖事件は、旧日本軍の関東軍が自ら南満州鉄道の線路を爆破しながら、中国側の犯行だとして、中国東北地方の占領を開始する口実としたものですが、貴殿の予定していた「巻き込まれる」行動は、まさに柳条湖事件を彷彿させます。貴殿は、柳条湖事件の関東軍の暴走についていかに評価しますか。
 
::::::::::::::::::::::::::::::::::::
               公開質問状

                           2007年8月16日
前内閣総理大臣小泉純一郎殿

 私たちは、平和を希求し、あらゆる戦争を廃絶することを願っている市民の有志です。

貴殿は、自衛隊のイラク派遣を決定した内閣総理大臣としてその責任を負う立場にありますが、イラク派遣の先遣隊長・第一次復興業務支援隊長を務めた佐藤正久氏は、先頃、下記のとおり、JNNの取材に対し、イラクでは、シビリアンコントロールを無視して違憲・違法な行為を行うつもりだった、すなわち、もしオランダ軍が攻撃を受ければ、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだった旨発言しました。

佐藤正久氏を隊長とする部隊がイラクに派遣された際、部隊の編成母体となった北部方面隊派遣部隊の準備訓練では、「武器使用の権限」と題する文書に基づいて、「武器を使用する事についての積極的な意思がなければ、武器を持って救助に駆けつける事はかまわない」というルールに則って訓練が行われたとされています。
すなわち、そのルールとは、1.武器を持ってまず救助現場へ駆けつける、2.それまでは武器を使用しない、3.現場へ駆けつけてから(当然)攻撃を受けるから、そのときになって武器を使用する、というものだったとされています。

このルールは、今回の佐藤正久発言と符合するものです。

そこで、貴殿に対し、以下の通り質問します。
 
 1)貴殿は、直接または間接に佐藤正久氏に対して「巻き込まれる」行動を行うよう命じていたのでしょうか。あるいは、少なくとも、佐藤正久氏が「巻き込まれる」行動を行うことを認識していたのでしょうか。
 2)貴殿は、佐藤正久氏が予定していた「巻き込まれる」行動を肯定しますか。
 3)佐藤正久氏の予定していた「巻き込まれる」行動は、違憲違法なもので、シビリアンコントロールにも反するものだと思われますが、貴殿は違憲違法なもの、シビリアンコントロールに反するものだと考えますか。考えないという場合、その根拠をお示し下さい。
 4)佐藤正久氏は、自民党推薦で国会議員となりましたが、国会議員が今回のような発言をすることについていかなる見解をお持ちですか。
 5)貴殿は、自衛隊が海外に派遣された場合、今後も、「巻き込まれる」行動をとることに賛成しますか。

                記

「駆けつけ警護」認めるべきで一致(TBS News:動画あり、2007.8.10)

 集団的自衛権に関する政府の有識者会合はPKO=国連平和維持活動を行う自衛隊に対して、憲法上できないとしてきた「駆けつけ警護」を認めるべきだ、という意見で一致しました。
 PKO活動の際の武器使用は、正当防衛や緊急避難などの場合に限られていますが、10日の会議では国連の集団安全保障の問題としてとらえるべきだとする意見で一致しました。
 その上で、正当防衛を超えるとして憲法違反とされるいわゆる「駆けつけ警護」は認めるべきだとする意見が相次ぎました。これは、味方である他国の軍隊が攻撃された場合、駆けつけて応戦するものです。
 こうした事例について、イラクに派遣された陸上自衛隊の指揮官だった佐藤正久氏は、当時現場では、事実上の「駆けつけ警護」を行う考えだったことをJNNの取材に対して明かしました。
「自衛隊とオランダ軍が近くの地域で活動していたら、何らかの対応をやらなかったら、自衛隊に対する批判というものは、ものすごく出ると思います」(元イラク先遣隊長 佐藤正久・参院議員) 
 佐藤氏は、もしオランダ軍が攻撃を受ければ、「情報収集の名目で現場に駆けつけ、あえて巻き込まれる」という状況を作り出すことで、憲法に違反しない形で警護するつもりだったといいます。
 「巻き込まれない限りは正当防衛・緊急避難の状況は作れませんから。目の前で苦しんでいる仲間がいる。普通に考えて手をさしのべるべきだという時は(警護に)行ったと思うんですけどね。その代わり、日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」(元イラク先遣隊長 佐藤正久・参院議員) 
 懇談会は11月までに集団的自衛権の行使を容認する提言をとりまとめると見られます。しかし、公明党が反対している上、参院選の惨敗で安倍総理の求心力が低下しており、報告書は棚上げせざるを得ないという見方が強まっています。

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             要望書

自民党総裁安倍晋三殿

 私たちは、平和を希求し、あらゆる戦争を廃絶することを願っている市民の有志です。

 貴殿は、自民党総裁として、自衛隊イラク派遣先遣隊長・第一次復興業務支援隊長を務
めた佐藤正久氏を参議院議員候補者として推薦し、同氏は参議院議員として当選しました。
 ところが、同氏は、参議院議員として登院早々、下記のとおり、JNNの取材に対し、イラクでは、シビリアンコントロールを無視して違憲・違法な行為を行うつもりだった旨発言しました。
 この発言は、厳格なシビリアンコントロールに服すべき自衛官としてあるまじきものであり、国政に関与する議員の発言としてはなおさら許し難いものであって、貴殿におかれましては、同氏に対し、直ちに議員辞職を勧告するよう要望いたします。
 なお、貴殿が佐藤氏に対して辞職を勧告しない場合には、貴殿及び自民党は、佐藤氏の発言を肯定的に評価していると考えざるを得ません。そのことは、貴殿及び自民党が現場の自衛隊にシビリアンコントロールを無視されても構わないと考えていることを意味することになります。もし、貴殿及び自民党がそのように考えているのであれば、それは非常に恐ろしい考え方であり、私たちは貴殿及び自民党の考え方について国内外の世論に訴えていく所存です。
 また、佐藤正久議員に宛てた公開質問状を同封しますので、同質問状記載の質問事項をよくご検討の上、ご判断いただきたいと存じます。

               記
「駆けつけ警護」認めるべきで一致(TBS News:動画あり、2007.8.10)
(以下省略)
 


2007-08-19 22:04  nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(1) 

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コメント 6

tamara

この佐藤参議の発言は安倍首相の自衛隊での演説と見事同じものですね。「緊急な場合は自主的に判断せよ」的なものでしたね。お人好しの私達にははかりしれない考えを持っている人達です。仲間内の時はどんな会話がかわされていることやら。(賛同署名しました。)
by tamara (2007-08-20 22:56) 

mai

あの、自衛隊の大隊を前にした演説ですね(大学入学式でしたでしょうか・・記憶が不確かです)。いろいろなブログを読んでみると、「有識者」による集団的自衛権肯定の結論を後押しするための計画的な発言という推測もあり、「なるほど〜、そうかもしれないなあ」と思います。TBSのニュースでもその話題と関連づけていましたね。ぼんやり頭の私にはすぐには思いつかないような、深謀遠慮がなされている可能性が高いですね(もう、ついていけません〜ん)。署名、どうもありがとうございました♪
by mai (2007-08-22 11:02) 

喜八

こんばんは。
「ヒゲの元隊長暴言問題」も、マスコミではさほど問題にされませんね。
なんとかしたいものですが・・・。
by 喜八 (2007-08-22 20:57) 

mai

喜八さん、お久しぶりで〜す。と言っても、毎日拝見してボチッと押してますよ。いつものことながら、国の根本問題に近づくほど、マスコミが取り上げない(教育基本法、国民投票法しかり。今回の問題も)ですね。腹立たしいですが、何となく慣れてきました(慣れてはいけない?!)。野党が証人喚問などしてくれるといいのでしょうか。でも、民主党にそんな馬力あるかなあ??
by mai (2007-08-22 22:55) 

喜八

> 毎日拝見してボチッと押してますよ。

ありがとうございます!
自分でも予想していなかったくらい大勢の方が投票してくれるので、驚くとともに心より感謝しています。
もしかしたら、「喜八ログ」はアクセス数のわりにはランキングの投票が多いかもしれません・・・。

「ヒゲの元隊長」だけでなく、自衛隊の幹部の人たちはすごく「軽い」印象があります。あんな軽薄な人たちは部下の自衛官を「戦地」に送るのは許されないぞ!と思います。
by 喜八 (2007-08-24 20:47) 

mai

>自分でも予想していなかったくらい大勢の方が投票してくれるので、驚くとともに心より感謝しています。
それは喜八さんと謎の憂国者「r」さんの実力と人徳ですよー。読まずにはいられない内容ですから☆

>「ヒゲの元隊長」だけでなく、自衛隊の幹部の人たちはすごく「軽い」印象があります。あんな軽薄な人たちは部下の自衛官を「戦地」に送るのは許されないぞ!と思います。
同感です!「我、自衛隊を愛す 故に、憲法九条を守る」の方々と比べると本当に軽いですよね。情けないです。やっぱり直接的な戦争体験の有無の違いでしょうか?
by mai (2007-08-25 19:51) 

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