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伝える難しさ(わが家の場合) [市民運動]

私は自分のスタンスとして、リアルでの活動(と言ってもたいしたことしてませんが(^_^;))とブログでの発信は車の両輪で、あえて順番をつければリアル>ブログだと思っています。もともと「教育の会」を昨秋作り、ニューズレターを出したあとで、「う〜ん、ニューズレターで知ってくれた人がネットで検索してなんにもなかったら悪いなあ」というのがブログを始めた動機です。

それと、現時点では状況が流動的だと思うのですが、やはりまだネットの伝達力は高くないですね。マスコミで流れない大切な情報が得られたり、市民が情報発信者になれたりすごい面はいっぱいですが、ではご近所さんと同じ情報を共有できているか?というと、例えば私のこのブログ、身のまわりの人はだ〜れも知らないだろうし(県内で20人くらいかなあ)、ずっとメジャーどころの政治ブログ、例えば天木さんのブログでも、私が少し選挙ボランティアした時、「いつも読んでます」と言ってくれたのは、数百人のうちたった一人(30代くらいの男性)でした。

私が発信したいのは、以前の私のように「政治にちょっと関心があって、いまの政府にはどうも賛成しかねるけれど、仕事や趣味などほかにしたいことがいっぱいあって、政治のことを考えるのは1日に10分くらいかなあ」とかいう、無党派市民層なのです。そういう人に伝えるのは本当に本当に難しいです。リアルでもネットでも・・。

実は私の夫がどちらかと言えばそういう層で、政治よりも自分の好きな仕事、文学、音楽に生きたい人です。最初は本当にきつかったです。なんか私がうさんくさい「(彼のイメージするところの)左翼思想」に洗脳されたように思っていたり、47年法と06年法の教育基本法を読んでもらっても「たしかにやりすぎだとは思うけど、これくらいはまああってもいいだろう」と言って、私が指摘するところの「心の自由を奪う第一歩じゃない?」という問いかけにはまともに意見を言ってもらえませんでした。

ですから私は、ニューズレターの1号〜3号まで、作っていることすら夫には言わずに、まあ気配でわかっていたと思いますが、全く別世界でやっていました。

夫が変わってきたのは、いつの頃からでしょう?読んだ本で夫にも読める柔らかい内容のものを勧めたりしました(それでも自分では読んでくれず、私が要点をまとめて伝える感じでした)。夫の愛読書?である「通販生活」(TVCMでもやっているアレです)の後半は憲法や環境問題がギッシリなのですが、たまたま各論併記のかたちで、伊勢崎賢治さん、岡崎久彦さん、加賀乙彦さんなど5名ほどが集団的自衛権について書いていました。それを読んでくれたのは一つの転機だったかもしれません。私も夫も伊勢崎さんの「集団的自衛権を認めない」という説がイチオシでした。ただ、2押しは違って、私は自衛隊縮小で災害救助の方に特化すべきという意見だったのですが、夫は「それは岡崎氏と同じくらい危なくて無茶苦茶だ」と意見はわかれました。

それより大きかったのが、夫の大学時代のクラブ仲間で官僚、金融関係の管理職になっている人がいるのですが、3人で食事会をしたことです。私が教育、軍事、経済など、日頃わあわあわめいていることが(おそらくもっと論理的に)話題になったようです。前後の話は知りませんが官僚の方は「日本は行き着くところまで行かないと仕方ないかもしれない」とあきらめ顔だったとか。

それから、夫の態度はかなり変わりましたね。「自分の世界に生きる」という基本スタンスは同じですが、私に対する返答がずいぶんと好意的なものになりました。私の考えを補強してくれるような情報がみつかったら教えてくれたり。いろいろな会に行きたいと言っても、以前より快く子どもの世話を引き受けてくれるようになりました。

ここまでくるのに、ほぼ8〜9カ月。身近にいて毎日話すことができてさえ、伝えるのにはこんなに時間とエネルギーがかかりました。しかも、私だけの力では正直、ムリでした(同級生の話と私の話が合体したのが大きかったみたいで)。これまでと違う政治的な考えを理解してもらうのがこれほどたいへんとは・・・。

もっと別の話を書くつもりでしたが、なぜか伝えることは難しいという話になってしまいました。ともかく、私の力量ではブログだけで人に伝えることはムリです。ブログ、リアル、本、講演、事情に詳しい人からの話・・・。使えるものは何でも総動員して(笑)そういうものがうまく合わさって、やっと何人かに伝わるのかなあ・・そういう感触を持っています。ちなみに、夫はいまだに私のブログを読んだことがありません。夫婦って意外にそういうものでしょうか?(>_<)


2007-08-22 10:43  nice!(0)  コメント(7)  トラックバック(0) 

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志村建世

よくやりましたね。ご夫君をそこまで変えたのは、すばらしいことです。ご両人にとって…。家族を変えるというのは、本当に難しいのです。でも、とても大事ですね。もしも価値観を共有できるまでになったら、世界を敵に回しても怖くなくなるでしょう。
 私の妻も、「お気に入り」に入れてあげたのに、なかなか見てくれなくて、株価ばかり見ています。時々は興味のありそうな話題を、会話として話した後だと、少しは見てくれるようになりました。
 無理せず、自然に興味を持ってくれるように、ふだんの会話を大事になさったら、チャンスがあると思いますよ。
 
by 志村建世 (2007-08-22 23:13) 

小山広明

イヤー実に良い内容でうーん、とうなされれました。
こんな事が出来たのは人知を超えているといった事を東京にいけないかもしれないという事でメールしておきました。

その触りですが
9条ネットの参加しない参議院選挙は、「なんの意味もなかった」といえましょう。
自公惨敗の意味も、ここから考える事が大事である。

わたし自身、戦力を持たせないとした憲法9条2項の意義に触れ感動した。

これは人々の願いが世界大戦というものによって、こんりんざい戦争はいやだという事から生み出され、世界中の国が承認し、日本の国会で可決したものである。

戦力を持たせない9条2項は
組織の上からは、この「戦力を持たない」という精神は出て来ません。

普通に考えるならやめる、ということも出来たと思う。しかしやったのである。
これは既成政党や、これまでの選挙をするという常識を超えたものによって行った、ということは確かであったろう。
それは一体何かである。
人間の思いを超えた力が働いたから出来たとも言えましょう。
その力は最後まで私たちを守り続けてくれた。

戦力を持たない国というものを想像してみて下さい。
それだけで愉快で、楽しく、心安らぐではないですか。
人々に信頼され、尊敬される政治が行われていくのです。

一人というところに立ち切った存在こそ、一切の命(当然に権力者も含めた)、存在を救いうる主体である。

「武器」を持たせないと言えるのは、「一人」という人間、だれしも帰るべき、立つべき存在に立ったところの世界、感情、思いである。


こういうことは必ず起こってくる、9条ネットの立ち上がり方から見えて来ます。
ここにこそ人間があり、命への希望があります。

この9条ネットを生み出して来た命は無くなるはずはありません。

本当にこの選挙で出会わさせて頂いた皆さん、ありがとうございました。
by 小山広明 (2007-08-22 23:25) 

mai

>志村さん、ありがとうございます!>もしも価値観を共有できるまでになったら、世界を敵に回しても怖くなくなるでしょう。それは今回、実感しました。夫の理解がかなり得られてから、それまですごく不安定だった私の精神状態がずいぶん落ち着きました。やはり家族は基本ですね。一方、これは自戒なのですが、必ずしも全面的に賛同してもらうことは求めず、「あんたの言うことも一理ある」くらいに思ってもらうことを目指そうと思っています。反対に夫の考え方に対しても、そういうスタンスを取ってあげたいです。自分が正しいと思っていても、「考え方押しつけ」はダメですね。ディベートよりもワークショップの精神でしょうね。

>小山さん
ありがとうございます。小山さんには、2回しかお目にかかっていないのがウソのように、たくさんのエネルギーをいただいています。世界にはコスタリカを始め、軍隊を持たない国が確か27カ国もあるそうですね。日本も目指しましょう!小山さんのような方がいることは日本の良心だと思います。小山さんの明るさも未来への希望です!7月11日のブログに小山さんのことを書かせていただいています。よろしかったらご一読下さい。(http://blog.so-net.ne.jp/kyoikushiminnokai_in_shiga/archive/20070711
by mai (2007-08-23 12:18) 

mai

>志村さんにちょっと追加です。志村さんのように読みやすく、バラエティーに富んで奥さまも時代を共有できるようなブログでも、そのようなご様子なのですか(ちょっと安心?)。私もやっと穏やかな家庭に戻りつつあるので(一時は私が教育基本法や政治に怒りすぎて、夫はそれを理解できず、険悪な雰囲気でした)、これからは無理せずゆっくりとやっていきます。でも、これだけ明け透けに夫のことを書いてしまったので、この記事は読まない方がいいでしょうね(笑)。
by mai (2007-08-23 13:13) 

NO NAME

maiさん、こんにちは。
物事に向き合う真摯な姿に、いつも感動します。

>使えるものは何でも総動員して(笑)そういうものがうまく合
>わさって、やっと何人かに伝わるのかなあ

↑これ、私も実感しています。
私は、maiさんのブログを読まなければ、九条ネットのことを知らないままだったと思います。ここで知ったので、新聞の小さな記事も、目に入るようになりました。
ありがとうございました。
by NO NAME (2007-08-25 11:45) 

まみ

すみません、さきどのNO NAMEのコメントは、私です。
失礼いたしました。
by まみ (2007-08-25 11:51) 

mai

まみさ〜ん、こんにちは。私は本当は、ネコと一緒にゴロゴロするのが幸せという怠けものです。でも、あまりの事態に(教育、平和問題等)「こうしてはいられない!」とやむにやまれず、なぜか動いているというところです。

私もまみさんのブログでたくさんのことを知らせていただいています。お互い、持っている情報と知恵を共有して、夢と目的?に向かって進んでいきましょう!

まみさん推薦の「朝2時起きでなんでもできる」。以前に夫が買ってありますので、私も読んでみますね。
by mai (2007-08-25 20:02) 

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