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自己肯定感を育てる育児・教育の本 [子どもの世界]

自己肯定感の高い子を育てるアドバイス本として子育て世代で話題になっていて、著者が近々当地にも講演に来られると知り(私は仕事で講演会には行けませんが)、「子育てハッピーアドバイス」という本を読んでみました。著者は精神科医でスクールカウンセラーも務める明橋大二さんという方です。


子育てハッピーアドバイス

子育てハッピーアドバイス

  • 作者: 明橋 大二
  • 出版社/メーカー: 1万年堂出版
  • 発売日: 2005/12/01
  • メディア: 単行本



アマゾンの書評から想像していたような内容で、きのくにの堀真一郎さんや児童精神科医の佐々木正美さんなどと似た主張で、私にはある意味なじみ深い世界でしたが、こういう本を読むとやはりいつでも心がほっこりします。子どもの相手をしながら横で読んでいたのですが、後半にさしかかったころ、子どもから「(今日は)どうしてそんなに笑っているの?(笑顔でいるの?という意味です)」と尋ねられました。

その後、子どもといつものように他愛ない会話をしている時、子どもが大きな笑い声を立てました。「あんまり楽しそうに大声で笑っていて、いったいどうしたの?」と隣室にいた夫が様子を見に来たほどでした。「親が幸せな気分でいると、子どもにはすぐに伝わるのだなあ。そしてその逆も・・・」と改めて自覚しました(反省も)。書評のなかでも、この本のことを「癒し」とか「栄養剤」などと書いてあるものがありましたが、本当にそう思いました。

マンガ本といってもいいくらい、かわいいイラストや4コマ漫画が多用されていて、あっという間に読めてしまいます。これも若いお母さんたちに読まれる理由なのでしょう。理屈っぽい文章が好きな私からすれば、ちょっともの足りないかなとも感じる面はありますが、どうしてどうして内容は濃いものです。


紹介したい内容はたくさんあるのですが、少しだけ書きます。

子どもの現実として
1.子どもは自己中心的です(まだ、相手のことを考える能力が育っていません)
2.子どもは失敗します(未来を予測する能力が育っていません)
3.子どもは、言うことを聞きません(人の意見を冷静に聞く能力が育っていません)
と挙げたあとで、この3つを次のように言い換えます。

1.相手のことを考える能力の前に、まず自己主張する能力が必要です。それが健全に育っている証拠です。
2.失敗によって、さまざまなことを学ぶ機会を得ています。
3.自立心の表れです。

素敵な見方だと思います。きのくにの堀さんも「子どもには安心して失敗する権利がある」ということを著書や通信のなかで繰り返し書いています。うちの子も1、3が強めの子で親として疲れることも多いのですが、このように見てあげたいと思っています(疲れている時とか、ガツンと怒ってしまうことも多いのですが)。

もちろん著者は「基本的な生活習慣、他人のことを思いやる行動を身につける」ためのしつけは大切だと述べています。しかし、ガミガミ叱るのではなく親が身をもって、あるべき姿を示していくこと。そして、「甘やかし」ではなく「甘えさせる」ことが基本だといくつもの例を示して説いています(この二つの境界というか匙加減がなかなか難しいのですが)。

この本に対して、反論本も出ているようですが、書評をみると「ゼロトレランス」という教育法を評価していたりして、私にはあまり賛同できる内容ではなさそうです。しかし、多くの親は「子育てハッピーアドバイス」に共感しているようで、「こういう本が広く読まれるならば、この国の将来もちょっと明るいかも」と嬉しくなりました。

根っこの主張はかなり似ているのですが、マンガティックではなく、理論づけの多いものとして、佐々木正美さんの「子どもへのまなざし」ときのくに堀さんの「自由学校の設計」を紹介しておきます。どちらも私の愛読書です。



子どもへのまなざし

子どもへのまなざし

  • 作者: 佐々木 正美
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 単行本





自由学校の設計―きのくに子どもの村の生活と学習

自由学校の設計―きのくに子どもの村の生活と学習

  • 作者: 堀 真一郎
  • 出版社/メーカー: 黎明書房
  • 発売日: 1997/07
  • メディア: 単行本



2008-10-31 17:18  nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(5) 

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コメント 3

トシ

mai様

はじめまして。
1万年堂出版のトシと申します。

「子どもには安心して失敗する権利がある」というのはステキな言葉だと思いました!

何事にも段階というものがあって、
「自己中心的」「失敗する」「言うことを聞かない」…これら子供の現実を温かく見守りつつ、
子供のペースで、親も一緒に成長して行きたいですね。

1万年堂出版のブログで紹介させていただきました。

http://spn61170-02.hontsuna.net/article/2116859.html



もしよかったら遊びに来てください(^^)ノ


by トシ (2008-11-04 17:43) 

mai

>トシさん
初めまして!コメントどうもありがとうございます。
出版社の方からコメントをいただけるとは考えたこともなかったので、昨日コメント欄を見て、頭がボーッとしていました。
丸一日そんな状態だったので(笑)、お返事が遅れて失礼しました。

明橋先生の講演会、行きたいのですが、気がつくとその日にはすでに仕事が入っていました。また次の機会を楽しみにしています。

こういう本を出版されている志の高さ、そして優しさを尊敬します。
今後ともよろしくお願いします!
by mai (2008-11-05 21:32) 

トシ

こんにちは!! 1万年堂出版のトシです。
いつも『子育てハッピーアドバイス』シリーズを読んで下さり、
ありがとうございます。

さて、「ハッピー仲間」さんに、とっておき、ホヤホヤの情報です!

このたび、『ハッピーアドバイス』の最新刊
『子育てハッピーアドバイス 知っててよかった 小児科の巻』が出ました!
詳しくは、こちらをどうぞ。
http://spn61170-02.hontsuna.net/article/2206420.html

また、この発刊を記念して、新宿・紀伊國屋サザンシアターにて、
著者のトーク&サイン会が行われます!
申し込み方法など、詳しくはこちらをご覧ください。
http://spn61170-02.hontsuna.net/article/2206422.html

by トシ (2009-05-28 09:51) 

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