アフガン戦争支援は日本の評価を上げない [戦争と平和]
毎日新聞を読んでおられる方はご存知だと思いますが、社会面に「喜怒哀楽」というコラムがあります。日によって、喜・怒・哀・楽のどれかをテーマに記者が随筆風に書くもので、小さいけれどもピリッとした文章も目立ちます。
今日は「怒」でアフガニスタンについてでした。長く同国で人道的支援を続ける中村医師。最近の発言については以前から耳にしていましたが、やはり・・とため息が出ました。現場感覚に基づいた意見はずっしりと重いです。こういう議論がもっとなされるべきだし、メディアもきちんと伝えてほしい。今日のこのコラムに賛同し、以下に載せておきます。
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「外国軍を増やすのは火にガソリンをかけるようなもの」。干ばつが進むアフガニスタンで、用水路を造るNGO「ペシャワール会」の中村哲医師(60)の講演を聞き、悪化する現地情勢が見えるようでした。かつて日本人というだけで得られた信用は消え、約15年前から続く医療活動も一部撤退。やはり「一方で軍事協力をしながらの復興支援はありえない」のです。発足した安倍改造内閣は、アフガン戦争に協力する根拠のテロ特措法問題にどう対応するのでしょう。始めに延長ありきの議論だけはご免です。 (地方部・斉藤貞三郎)
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アフガニスタンでもイラクでも、アメリカを中心とした武力介入は決して市民に幸せをもたらしていないようです。そのあたりのアセスメントを、まず国会できちんとするべきです。中間的な結果の把握もなしで、空理空論の議論をしたり結論を出すことは理性的な判断ではありません。
テロ特措法やイラク特措法によって、日本の評価は上がったでしょうか?アメリカにとっては「自軍の補完部隊として、いちおう機能した」と思われているかもしれません(でも、これで満足する米政府ではないでしょう。さらに要求はエスカレートするはずです)。しかし、これまでの情報から考えると、他の国々、これまで日本に友好的だったアフガニスタンや中東諸国の評価は下がることはあっても、上がっていないはずです。
アメリカの「忠実な同盟国」でさえありさえすれば、他の諸国からどう思われようと構わない。いまの政府や日本の軍事行動に賛成する人たちはそう考えているのでしょうか。一度失われた信用を取り返すことは、それまでの何倍もの年月と努力が必要です。米国の意向に振り回されて、日本がこれまで築いてきたアジア、中東での信頼感を失うことはあまりにももったいないです。
*なお、この新聞記事と私が書いたブログ内容の一部について、民主党に意見としてメールしておきました。
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