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わくわく子ども学校の学び方━漢字について [自由教育]

箕面のわくわく子ども学校から、2冊目のブックレットが届きました。1冊目(http://kokoro-no-jiyuu.blog.so-net.ne.jp/2008-05-02)と同様に子どもたちの日々の生活と学び、学校の目指す夢など72ページのなかに、わくわくの日々がぎっしりとつまっています。

私はいまや、自由教育フリークのようなもので(笑)、主に政治がらみでイライラしたり腹が立ったりすることがあっても、この本や1冊目のブックレット、きのくに、自由の森学園の本を読むとそれだけで楽しくなり、希望がわいてきます。ひとりでに笑顔になってくるのがわかります。

すべてを紹介したいくらいなのですが、今回はあえて普通の学校の学習に一番近い(プロジェクト、トピックといった自由学校ならではの活動ではないという意味です)漢字を中心とした文字の学びについて、わくわく流学び方を取り上げます。

というのは、前回わくわく子ども学校の記事を書いたときに、小学生の子どもさんを持つikuさんからコメントをいただきました。そのなかで、学習指導要領と漢字学習について書いておられ、それを読んだ私も「窮屈そうだなあ〜」とためいきをつきました。そんななか今回のブックレットではタイミングよく、わくわくでの漢字学習の様子が取り上げられていて、窮屈感とは無縁ののびのびした様子に、たいへん嬉しくなりました。

以前いただいたikuさんからのコメントをご紹介します。

<ikuさんより>
もうご存知でしょうが、私はきのくにに惚れ込んでいるのですが(笑)すんなり入学するには経済的、立地的、その他諸々多々問題アリで娘は小2で公立に通っています。幸い?娘は楽しんで通っているし、担任の先生もガチガチ?の先生ではなく、ホッとしているのですが、やはり、限界があるな、と感じています。学習指導要領しかり、30人強の子どもたちに対して一人という状況、学校行事、PTA(保護者)に対して、様々な業務、研修、…と先生一人に対しての仕事量、制約が多すぎるような気がします。

4月に懇親会があって、先生から「2年生はこの漢字を学びます、160字です。1年生の倍です。私もビックリしているんですが…学校だけでは習得が難しいとおもいますので、おうちでも練習させてください」と160字の一覧表をいただきました。あまのじゃくな私は「160字って誰が決めたんだろ、先生も大変だなー」とふーんと眺めておりましたが。なんだか窮屈な感じしません?

<まいよりお返事>
漢字の例を教えていただき、ありがとうございます。そういう具体的な知識に欠けているのが私の弱点ですので(^^;)助かります。う〜ん・・・という感じです。乗り物好きな男の子だったら交通関係の漢字をまず覚えるとか、おしゃれや料理に関心がある女の子は洋服や食材の字に興味を示すとか、そういう個人差があるでしょうし、その子の興味のあるところから入って「漢字」を好きになる・・・などという発想はダメなのでしょうね。おっしゃる通り窮屈な感じを受けてしまいます。

では、わくわく子ども学校の漢字学習はどんな様子でしょうか?低学年担当の先生が書いておられます。

学び方は人さまざま
わくわく子ども学校では、なにを学ぶか自分のペースで決めていくため、ゆっくり学んでいく子もいれば、どんどん進めていく子もいます。漢字は、学習指導要領では一年生で習う漢字、二年生で習う漢字、と決められていますが、この学校ではおもしろい学び方をしている子がいます。

絵本の中のひらがなを漢字に直しながら、オリジナルの絵本を作っているのです。自分で選んだ、大好きな動物の絵本。とてもていねいに根気よく、もう何ヶ月もやり続けています。元の絵本では全部ひらがなで書いてある文字を、スタッフがいったん別の紙に、漢字を混ぜながら書いていきます。難しそうな漢字にはふりがなをふって、「この字はちょっと難しいと思うから、漢字でもいいし、ひらがなでもいいと思うよ」と伝えました。

「これは何年生で習う漢字?」と聞かれたことがあります。「動物」という漢字で、これは三年生で出てくる漢字でした。二年生の彼女は、ぱっと顔を輝かせ、「やった〜、もう動物って漢字、覚えちゃった!」それ以来、彼女はスタッフがふりがなをふったものも、すべて漢字で書くようになりました。

目次も作って、彼女なりのグループ分けをした順番で動物を紹介しています。絵も描きながら進めるので、通常の書き取り練習を続ける漢字の学習とはずいぶん様子が違います。ふだんあまり描いたことのない動物のところでは、文章は書けても、絵で苦戦してなかなか進みません。この絵本作りに取り組む中で、彼女はたくさん漢字を覚えましたが、漢字の学習だけでなく、そうやってていねいに根気よく作業を続けていることが、彼女にとって最高の学びとなっているのでしょう。



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「わくわく子ども学校」を見学しました♪ [自由教育]

教育評論家の古山明男さんという方が、世界的にみた不登校についてブログ記事に、次のように書いておられます。
・社会問題になるほど不登校の子ども・若者が多いのは日本と韓国である。
・その条件は、1.賞罰・競争に訴える教育が行われている 2.かなり豊かな国で、すでに"忍耐の美徳"が通用しなくなっている 3.正規学校以外の教育が認められていない

1の反例は、私のブログでも時々書いている北欧諸国で、競争的ではないので生徒のストレスが少ない。
2の典型例は、現在の中国。戦後の日本のように、学歴をつけることによって生活レベルが上がり貧困から抜け出せるという意識が国民全体に強い。私の考えですが、日本でも若者の貧困化、ワーキングプアが問題となっていますが、戦後に比べるとそれでもまだ生活レベルが高く、しかも高度経済成長期のような学歴万能という夢は持ちにくくなっていると思います。

そして3について古山さんは次のように書いておられます。「アメリカには、いじめも学力低下も学校恐怖も、日本以上にある。しかし、不登校は社会問題とはならない。この理由は、ホームスクールが合法であることが最大。学校に行かずに家庭で育てることが認められているため。それと、オルタナティブ学校の設置が容易であるため、いろんな学校が自然発生して、いろんな生徒を吸収していく」。

オルタナティブとは、最近かなり使われる言葉ですが、代替とか別の選択肢とかいう意味だと思います。ブログに書いたこともあり、私が大好きな「きのくに子どもの村学園」も、学校法人として認可されていますがオルタナティブ学校でしょう。そして今回は、さらに若くて芽が出てすくすくと育ってきていて、いつかきのくにに負けないような、そして少し違った味わいになりそうな、素敵なオルタナティブ学校を見学することができました。

大阪箕面市にある「わくわく子ども学校」というところです。私が「わくわく子ども学校」を知ったのは、昨年11月に「きのくに子どもの村学園」のある和歌山県橋本市で開かれた「自由学校子どもサミット」というシンポジウムに出席した時でした。全国から5つの小学校が出席して、子どもたち二人ずつがスライドなどを使って自分の学校の紹介をしました。

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