きのくにを勧めることへの迷いについて [きのくには楽しい]
書きたいことはたくさんあるのですが、なかなかまとまった時間が取れません。今日はようやくひといきということで、少し書いてみます。
前の記事で、きのくに子どもの村学園小学校に出願すると決めたことについて(もう願書は出しています)、たくさんのコメントをいただきどうもありがとうございました。なかには身内のように心配して少し辛口の意見を言ったくださった方もいて、「親身になってくれる年長の親戚がいたらこんな感じかなあ〜」と、とても嬉しかったです。
そこで今回は、私のなかに少しだけあった葛藤について書いてみます。私と言えども、「いまの日本のなかでは、きわめて例外的でぶっ飛んでいる(ほぼ良い意味ですが)きのくにに行くことを、子どもにどれだけ強く勧めていいものだろうか」とずっと悩んでいました。
親子ともに、特に子どもが納得して選択できるように、公立小の学校公開、きのくにサマースクール、わくわく子ども学校の体験入学、大学附属小学校の説明会など、違ったタイプの学校を訪問してみて、最終的に子どもと話し合おうと思っていました。ところが、公立小の学校公開は行ったのですが、その次のきのくにサマースクールでの子どもの気に入り方が、前の記事のように尋常ではなかったのです。私のなかでも、きのくに、わくわくは一番好きでしたので、「そんなに気に入ったならば、もう決めてしまってもいいかぁ」となってしまいました。
きのくにサマースクール前に、このブログにもよくきてくださるikuさんとお話ししたメールに、私が当時悩んでいた気持ちを少し書いていますので、一部分載せてみます。
〜〜〜
自分が入学するのだったら、もちろん突っ走ってしまいます。
でも、入学するのは私ではなくて、子どもなのですよね。
子どもの意思は一番に尊重したい。でも5歳という年齢で子どもの意思だけでいいのだろうか。
親の希望はどのくらい入れていいのだろう。毎日、自問自答しています。
それに私の場合、子どもの人生を「利用」して、自分の信念を通そうとしているのではないか・・・・。
本当に悩みます。
(中略)
11月にきのくにシンポに行ったとき、最初から最後まで「あれっ?」と違和感を感じる言葉が全くなくて、どの会に行っても、何を読んでも、きのくに関連以外ではそんなことはまずなかったので、「なんて心地よい、夢のような空間なのだろう」と身もこころもリラックスしたことを思い出しました。自由教育の本やパンフレットやHP、そして現場、すべてがとっても快いのです。この感じは本当にほかでは味わえません。
これだけ私にぴったりする場所だけど、子どもに強く勧めてはいけないのだろうか?どのくらいまでだったらいいのだろう?そして夫には?もう悩みは尽きません。
〜〜〜
こういうことは口には出しませんでしたが、もしかしたら夫も子どもも私が身も細るほど(??笑)悩んでいることに何となく気づいて、私の意に沿うように、そっと自分の気持ちをその方向に持っていってくれたのかもしれません。そう考えるとありがたい家族です。
さて新一年生の体験入学の日程が11月に決まりました。子どもはもうすぐ行く運動会でもお泊まりしたいと言っているくらいで、やる気まんまんです。次の体験入学でも楽しく過ごせますように☆☆
私自身も、自分の子どもには、あまり私自身の好き嫌いを伝染させたくはないなあと思っておりました。こと私の価値観はこの国でエラくなるにはまるで不向きなものですし。
でも、そうやってヘンに「中立」を気取ると、やっぱあんまりお互いによくないんですよ。ですんで、最近はもう開き直ってます。
親にせよ教員にせよ、結局、自分のカラーに子どもを染めちゃうものだと思います。恐ろしい役です。死ぬほど恨まれる可能性もあります。汚れ仕事です。
でもこれ、どうにもならないと思うんですよ。で、最近の私の考え方は、「子ども達が、後々自力で修正できる範囲ならよしとしよう」というものです。実際、たいがいは大丈夫だと思います。
by shira (2008-10-04 22:00)
maiさんの悩まれるお気持ち、とても分かります。
ですが、
maiさんのお子さんがサマースクールで感じたキモチ、
その姿を見て、賛成してくださったご主人の心の変化、
これは、maiさんがキッカケを与えたにせよ、
ご家族全員が「きのくに」に向かっている、ということなのでは、
と思うのです。
例えば、「きのくには嫌!みんなと同じ(=公立小?)学校にいきたい」と
言っているのに、
「きのくににしよう!」と無理矢理?(きのくに入学されるのに、そんな方はいないでしょうが、あくまで例え話です)、
自分の希望を通して、子どもに行かせるという形では続かないと思いますが。
上記コメントされている、shiraさんの
> 「子ども達が、後々自力で修正できる範囲ならよしとしよう」
この力を伸ばしてくれる環境が、きのくに、わくわくなどの学校だと思います♪
入学を前に、不安もおありでしょうが、入学されたら、
成長されるお子さんの姿や、
実際の保護者さんとのお話を聞いたり
さらにご家族でさらにいろいろ感じられるのでは。
…話はそれますが
やはり運動会のお誘いをいただけませんでした…(>_<)グスン。
すっかり行ってお会いできる気になっていたので…(めでたい性格)
思いっきり、ご家族で楽しんできてください♪
by iku (2008-10-05 09:07)
>shiraさん
shiraさんらしい、楽しくて元気の出るコメントをいただき、勇気が出ました。ありがとうございます。
>私の価値観はこの国でエラくなるにはまるで不向きなものですし。
これ、私も全く同じです〜。このブログを読んでくださる方はみなさんそうかも。望んだわけではないのに、なぜか少数派へ少数派へと行っています。でも、外国の本など読むとそうでもないのですよね。ホッとするやら歯がゆいやら・・。
「汚れ仕事」には最初は吹き出して、でもよく考えてみると、確かにそうだなあと、責任の重さを実感しました。
最終的に、「後々、自分で修正できる範囲なら良しとしよう」ということはまさに目からウロコでした。その通りだと思います。
小学校では毎日笑って過ごして、好きなこと、楽しいことをたくさん見つけてくれればいい。「(これから続く)人生ってけっこう良いものみたい」と感じてくれることが一番の目的だと思っています。まだまだ先は長いのですから「修正可能な範囲」だと自信を持って(でも持ちすぎずに)進むことにします。
by mai (2008-10-05 21:59)
>ikuさん
ご訪問&コメント、どうもありがとうございます。メールでもっともっとお話ししたいと思いつつ、(ブログにも書きました)ダブルワーカー+αの悲しさで余裕のない日々を送っていて、ごぶさたしています。
ikuさんが励ましてくださるように、我が家ではいま「きのくに風」が吹いているのかもしれません。基本的にちょっと(かなり)自分勝手な私は、「どうか逆風が吹いて押し流されませんように」と祈っています。
子どもが気に入っているいま、ささっと最終決定するのは親としてフェアでないと思って、もう一回体験入学をすることにしました(子どもは大喜びです)。私は内心、風が変わらないようにとハラハラしています。
by mai (2008-10-05 22:09)
エラくなることの意味内容が問題ですが、今の日本のふつうの小学校に行くよりも、エラくなれる可能性は、ずっと大きいと思います。フィンランドの学力世界一を思い出してください。
親が自信を持っていれば子供は恨みません。恨むのは、成人しようとするときに親が抑圧するときだけです。伝統芸能や芸術家の家庭教育を見ても、それはわかります。
私は父親を深刻に憎悪したことがありますが、私に期待して早くから編集の仕事を仕込んでくれたことについては、恨んだことはありません。
by 志村建世 (2008-10-08 23:28)
>志村建世さん
力強い言葉をどうもありがとうございます。親が自信を持つことですね。私はついつい暗く考えてしまう方ですが、明るく自信を持ってやってきます。ご著書のなかで、お父様と編集の仕事をされている志村さんご自身の描写は生き生きとされていました。「成人しようとするときに親が抑圧しないこと」。たいへんいい言葉ですね。肝に銘じて進みます。
by mai (2008-10-10 22:05)
はじめまして。突然のコメント。失礼しました。
by バーバリー アウトレット (2013-08-01 06:57)