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【転載】下関市での教育長発言 [一人ひとりを大切に]

私はネットや書籍で見かける「歴史修正主義」にはどうしても同意できません。最近、この種の発言はけっこう目につき、時間と体力がある時には抗議メールを送ったりしているのですが、なかなか手が回りません。将来、戦争体験のある方々がいなくなれば、史実を踏まえない自国賛美が堂々となされるようになるのでしょうか。暗澹たる気分です。

メーリングリストからの情報と新聞記事を載せておきます。

<メーリングリスト>
26日、教育補助金増額を求めて交渉した山口朝鮮初中級学校の関係者に、応対していた嶋倉剛下関市教育長が「植民地支配は歴史的事実に反する」と言い放つ事態が起りました。保護者らの抗議に対しても植民地支配を否定し「補助金助成の話に昔の話を持ち出すのは筋違い」とも話しました。(27日付朝日新聞から)

嶋倉教育長は文科省から今年5月に市教育委員長に着任した人物です。教育長の発言は歴史を反省しないどころか改ざんするもので、教科書の沖縄戦書き換えに現れた文科省の姿勢と同じといえます。ただちに発言の撤回と辞任を求める抗議FAXを送りましたが、より多くの個人、団体が、地域を越えて抗議することが必要と思いこの文を送ります。教育長宛のFAX、メールなどを集中してください。この出来事を広く伝えてください。韓国などに知り合いのいつ方はそちらにも伝えてください。よろしくお願いします。

住所 山口県下関市南部町1-1 083-231-1111(下関市役所)
教育委員会(教育政策課TEL 083-231-1560)
 FAX 083-222-8333
 メール kisomuka@city.shimonoseki.yamaguchi.jp(教育委員会総務課)


<山陽新聞>
植民地支配「史実に反す」 下関市教育長が発言

 山口県下関市の嶋倉剛教育長が、教育補助金の増額の陳情に訪れた山口朝鮮学園の関係者に対し、戦前の日本の朝鮮半島の植民地支配について「歴史的事実に反する」と発言していたことが27日、分かった。

 下関市教育委員会や同学園によると、学園関係者は26日、嶋倉教育長に対し「植民地支配により日本に渡航せざるを得なかった朝鮮人子弟が通っていることを踏まえ対応してほしい」と要望。教育長は「植民地支配という部分は歴史的事実に反するので受け入れられない」と述べたという。

 嶋倉教育長は27日、取材に対して発言内容を認めた上で「教育行政と歴史の話は関係なく、持ち出すのはルール違反だ。日朝併合の部分をどのように表現するかは自由だ」と話した。

 下関市は歴史的に朝鮮半島と密接な関係があり、韓国・釜山市と姉妹都市関係を結ぶなど現在でもつながりが深い。
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検索してみると、産経新聞でさえ、ほとんど同文の記事を載せています(ソースは同一っぽいです)。

<毎日新聞>
山口・下関市教育長:戦時下の朝鮮半島、植民地支配「事実に反する」と発言

 山口県下関市の嶋倉剛教育長(44)が、戦時中の日本の朝鮮半島支配について「植民地支配というのは歴史的事実に反する」と発言していたことが分かった。26日、山口朝鮮初中級学校(同市)への教育補助金増額の要望に訪れた山口朝鮮学園の金鍾九理事長と保護者らに回答した中で述べた。

 金理事長らの要望に対し、嶋倉教育長はいったん「現在の補助金は公教育のルールにのっとって決められている。加えて、市には財源がない」と回答した。

 しかし、学園側の出席者が「植民地支配によって日本に来た朝鮮人子弟が通っている。他の外国人学校とは歴史的経緯が異なることを踏まえてほしい」と述べると、嶋倉教育長は「植民地支配という部分は歴史的事実に反するので受け入れられない」などと反論した。

 27日に取材に応じた嶋倉教育長は「(学園側は)補助金の話で来たのに、歴史認識の話を持ち出すのは筋違いなので否定した。日朝併合(日韓併合)と植民地支配は違うと考えているが、異なる考え方があることも理解している」と話した。

 一方、金理事長は27日、「憤慨している。教育長の発言は、日朝平壌宣言の否定につながる。誤った歴史認識をもった人が『長』として教育現場に携わることを懸念する」と話し、発言の訂正と謝罪を求めている。

 嶋倉教育長は87年に文部省(当時)に入省し、小中学校の教育財政部門などに携わっていた。下関市は前任の教育長が突然辞職し4月から不在だった。このため、市の招請に応じて今年5月、文科省から嶋倉氏が派遣された。同省派遣の現職教育長は、九州・山口ではただ一人。【取違剛】

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どういうやりとりや言葉・感情の行き違いがあったにしても、普段からこころの奥底で思っていないことがとっさの時に出てくるとは思えません。そういう歴史認識や在日朝鮮学校に対するみかたが存在し続けていることは同じ日本人として残念です。

自分や祖先が逆の立場で、自分の意思に反して祖国を離れて生活しなければならなければどう感じるか。想像力を持ってもらいたいです。



2008-06-28 11:20  nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(1) 

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コメント 4

志村建世

趣旨には全面的に賛成を前提にしての意見です。以前、NHKという組織の中にいた人間の感覚として、このように「組織された抗議」と感じられるものは、ノーマルな世論とは違うとして、組織内で封印されそうな気がします。教育長は教育委員の互選であり、教育委員は議会が同意して首長が任命します。議会には野党の議員もいますから、教育長の不適格についての意見は、市議会事務局(または野党会派)に宛てた方が、議会で話題にされる可能性が高いかもしれません。
by 志村建世 (2008-06-28 21:35) 

mai

>志村建世さん
いつもブログは拝見していますが、体調を崩していてなかなか感想を書けずにいました。懐かしい歌♪の数々、そして新国歌!、またじっくりと読ませていただきます。さて、たいへん貴重なご意見をありがとうございます。私が「自分は無党派」とこだわるのも、実際に無党派なのですが、おっしゃるような「組織化された一員としての意見」として見られたくないという理由もあります(組合など組織を否定するものではありません。むしろ肯定していますが)。

新聞の投書欄などを見ていても、「いままであまり深く考えていなかったごく普通の人が何かのきっかけで世の中のおかしさに気づいた」というテイストの投書が採用されているケースが多いように感じます。一般読者に近いというか、志村さんのおっしゃる「ノーマルな世論」を反映したような感じのものですね。

そのあたり、私はもうその一線は越えてしまっていますので、意見を届けるときに実はいつも悩んでいます。とりあえず、できるだけ借り物ではなく自分の心からの言葉で表現することをこころがけていますが・・・。志村さんの今回のアドバイスはとてもありがたく思います。ぜひ多くの方に知っていただきたいです。

P.S.何回か志村さんが書いてくださった「(番組制作者に対して)ポツポツと届く良かったという感想」という表現も、組織化されていない普通の個人としての感想と捉えています。
by mai (2008-06-28 22:07) 

aaa

 これを書いた人は実際にそのときを知っているのでしょうか?
 当事者でないのであれば、歴史的文献をもとにそのときの状況を見るし
かないと思いますがどの程度調べての発言か危惧します。
 最近、朝鮮の歴史に対していろいろネットで調べる限り、少なくとも韓国
の主張する内容が間違っていると私は考えています。
 私の不勉強からかも知れませんのでどの様な史実をもとに記載されているのか教えていただきたいと思います。
 また、在日の方が60年も帰らず、国籍を変えずにいることに不自然さは
おぼえないのでしょうか。
 私は戦争を賛美するつもりはありません。
 しかし、竹島問題にしても何事にも歪曲されていると思われる歴史問題
を持ち出すことはとてもなっとくできません。
 「下関市教育」の発言に賛成です
by aaa (2008-08-16 21:09) 

mai

>aaaさん
こんにちは。しばらくブログから離れていて、お返事が遅くなりました。私の引用記事および自分の感想のどこにも「竹島問題」については触れていませんし、念頭に置いていません。

この記事で問題にしているのは、朝鮮半島の植民地支配があったこと、そして多くの住民が自らの意に反して、またはそうせざるようにし向けられて日本に住み、重い労働に従事したことです。その点は、いろいろな史実や証言により間違いのないところでしょう。

日本で生まれ育った2世、3世の方々がいまになって帰国することはとても困難を伴うと思います。そして、1世の方から話を聞いて育った人たちが自らのアイデンティティを考えて日本国籍を取得しないことも、それはご本人の考えであり、外から、特に日本人側からどうこう言う問題ではないでしょう。そういう方々も普通に市民生活を送れる多様性のある社会が日本人にとっても住みやすいものであると思います。

なお、竹島問題についてよく考察しておられる記事を紹介します。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-800.html

by mai (2008-08-28 12:24) 

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