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時間と距離を越えた前例を学ぼうと思います [戦争と平和]

沖縄での米兵暴行事件に続いて、いくつかの米兵の不祥事が報道されています。そのさなかに、イージス艦衝突事件。防衛関係で気の滅入るニュースが続いています。衝突事件で不明になっておられるお二人。どこかに流れ着いたりして、生存されていないものでしょうか。一刻も早く見つかることをお祈りします。

この一連の事件について、政府の防衛政策に肯定的な人と否定的な人との間で、捉え方が異なってきます。私のように「軍備を持つということはそれだけで、一定のリスクを抱え込むことだ」と考える者は、リスクの具体例として捉えてしまいますが、一方では「根本につながる問題ではない。一部の不心得者がいたり、あってはならないことだが、現場でのケアレスミスだった」と言う方もいます。

そもそも「米軍基地や自衛隊が存在するから、戦後の平和が守られてきた」または「今後、軍備がなくなると他国に侵略される」という命題は実証されていませんし、する方法もないでしょう。そうかもしれないし、違うかもしれない。何とも判断ができないわけです。こういうところが自然科学と違った社会科学の難しさですね。

こういう社会科学の問題をできるだけ正しく判断するためには「時間と距離の違った前例を見る」・・・ということが大事なように思います。時間の違う前例、つまり歴史をふり返る。距離の違った前例、つまり他国の現状を調べることです。

私は自分の知っている範囲の歴史や国際情勢から、「専守防衛以上の軍備を備えたり、軍事行動をすることはトータルでみてマイナスになるだろう」と判断していますが、さらに時間と距離を越えた事例についての勉強が必要だと思っています。

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京都市長選について社民党府連に連絡し、門川氏のどのあたりを評価したかなど、お返事をいただきました。一方的に門川氏を否定するばかりでは公平とは言えませんので、そのことについて書こうと書き始めましたが、なぜか防衛の方に行ってしまいました。このところ何かと忙しく、時間切れのため、今日はこれまでとします。




2008-02-20 16:02  nice!(2)  コメント(7)  トラックバック(33) 

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志村建世

実験のできない社会科学の検証法として、歴史に学ぶというのは、非常に正しい態度だと思います。
 「専守防衛以上の軍備を備えたり、軍事行動をした」国というのは、蒙古でもフランスでもイギリスでもドイツでも日本でも、歴史に名を残す大帝国を作ろうとした国は、みんなそうです。ところが今、本来のその国の大きさ以上を保っている国は一つもありません。
 私には今のところ、これ以上の精密な知識はありませんが、まいさんの勉強は、きっと実を結ぶとことでしょう。
by 志村建世 (2008-02-20 16:59) 

 好ましくない物事は誰にでもいっぱいあるものですが、それらをただ「バカだ」と非難しても心のモヤモヤは晴れません。
 結局、相手の正体=問題の中身をしっかり理解すること、その上で自分なりの解決を見つけるということ−こういう地道な作業(つまり勉強すること)こそが、モヤモヤを晴らす唯一の方法なんですよね。
 だから、やっぱ勉強するしかないんでしょうね。maiさん、応援してますから頑張って下さい。
by (2008-02-20 22:29) 

東西南北

 「そもそも「米軍基地や自衛隊が存在するから、戦後の平和が守られてきた」または「今後、軍備がなくなると他国に侵略される」という命題は実証されていませんし、する方法もないでしょう。そうかもしれないし、違うかもしれない。何とも判断ができないわけです」

 軍事力が戦後の平和を実現してきたというのは完全に誤謬です。それは核兵器が平和を実現する、戦争が平和を実現する、と同義です。軍事力があるから戦争が起こるのであり、核兵器が存在するから平和の脅威なのです。これが因果関係の科学です。軍事力がなければ戦争など起こらない、という命題が真理です。

 日本から軍備がなくなると他国政府に侵略される、という命題は完全に誤謬とまでは言い切れません。非武装、非軍事同盟、中立の日本国を侵略する政府があるかもしれません。しかし、同時に、非武装、非軍事同盟、中立の日本国に対し、軍事侵略をかけるという行為は民族大虐殺となり、完全に国際法違反です。そして、非武装、非軍事同盟、中立の日本国を侵略する政府の軍事力を排除する他国の軍事力、地域の軍事力、国連の軍事力が排除することは人類の正当防衛における因果関係であり、必然の科学です。

 歴史の進歩は以上のことを示しています。過去から未来へ向かう歴史が科学であり、現在を過去に引き戻す歴史は非科学だということです。歴史科学をいうのであれば、過去から現在にかけて人類がどのように歩んできたか?その到達を今後、どのように進めていくか?という問題になります。その場合に、戦争ではなく外交で、暴力革命ではなく議会制民主主義で、歴史を進めていくという態度こそ歴史科学なのであり、歴史を戦争と暴力革命を手段として進めていく歴史観は非科学です。それは歴史に学んでおらず、歴史を繰り返す者の態度です。
by 東西南北 (2008-02-21 01:44) 

東西南北

 補足です。軍事力が平和を実現したという命題は誤謬です。軍事力は戦争を実現するのであり、平和を実現するのは各国人民の平和運動であり、平和外交です。これが因果関係であり、したがって、科学です。抑止力論は完全に誤謬なのです。
by 東西南北 (2008-02-21 02:16) 

mai

>志村建世さん
ありがとうございます!平和問題については庶民の直感として強い意見を持っているのですが、いったんそれは横に置いて、先入観なしにさまざまなことを学ばなければならないと思っています。志村さんの著書やブログからもたくさん勉強させていただいています。
by mai (2008-02-21 21:09) 

mai

>shiraさん
なるほど〜。shiraさんから貴重な特別講義をしていただいた気がします。この1年あまり、shiraさんのおっしゃる「好ましくない物事」を見つけすぎて「心のモヤモヤ」が限界にきている状態だと思います。学ぶこと、行動すること、そして行動のなかからさらに学ぶ・・・そういうスタンスでやってみます。
by mai (2008-02-21 21:16) 

mai

>東西南北さん
コメントありがとうございます!直感的には東西南北さんのご意見に全く同感です。そのことを私の周囲にいる政治にあまり興味のない人、軍事力がある程度有効だと思っている人たちにうまく説明できるようになりたいと思います。
by mai (2008-02-22 12:36) 

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