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自民と民主が競う、自衛隊の恒久派兵法制化 [戦争と平和]

うかつでした。自衛隊の恒久派兵について論点となっていることは知っていましたが、自民案も民主案もここまで具体化していて、競うように法制化を目指しているとは・・・。このままでは、改憲の議論以前に、実質的に憲法は壊された状態になってしまいます。一般市民はどこまで知っているのでしょうか?そして、どう考えているのでしょうか?

大阪経済法科大学教授(憲法学)で、9条ネットの共同代表でもある澤野義一さんの講義をうかがいました。この分野にあまり強くない私が間違った解釈をするといけませんので、最初に澤野さんのレジメをそのまま載せて(強調された部分は私が色文字にします)、その後に感想を書くことにします。

**************************************
      改憲動向について

一、小泉、安倍、福田政権下の改憲動向 
1)小泉政権下(01.4〜 )
  ━国会の憲法調査会、テロ特別措置法、PKO協力法改正(PKF本体業務参加)、イラク特別措置法、有事法制、自民党新憲法草案策定
2)安倍政権(06.9〜  )
  ━教育基本法改正、防衛省設置、自衛隊法改正(専守防衛から海外派兵任務)、憲法改正国民投票法、イラク特措法延長、集団的自衛権行使容認のための懇談会設置
3)福田政権(07.9〜  )
  ━新テロ特別措置法制定、恒久派兵法の検討、改憲議論の期待
4)自民党政権の改憲手法
  ━解釈(立法や運用による実質)改憲と明文改憲の策動が並行
5)9条に関する改憲正当化論
  ━最小限自衛力論から、日米軍事同盟強化に沿った国際平和貢献論
  (海外派兵型戦争国家)

<感想>
福田政権下でもリベラルになったわけではないことは知っていましたが、こうして並べてみると、やはり海外派兵、軍事国家の方向に流れていることを感じます。安倍政権が性急すぎて反発を買い、福田政権がややゆっくりと進めているという緩急の差しかないのでは・・と思います。
海外派兵型戦争国家のこわいところは、国民に戦争の姿が見えないことです。今でもメディアではほとんど紛争地での生の映像は流れないでしょう?おそらく自主規制しているのだと思います。現地で苦しむ人が見えません。知らされるのは「自爆テロで○○人死亡」という血の通わないデータです。これでは反戦世論はなかなか高まりません。しかも、米軍と行動を共にすれば、死傷者は出るかも知れませんが、まず負けることはありません。敗戦により痛い目に遭うということがないわけです。どこまでエスカレートするかわかりません。


二、参議院の自民党惨敗と民主党の第一党化の下での改憲動向
1)明文改憲スケジュールの遅延、憲法審査会の運営停止
2)民主党に護憲を期待できるか━改憲議論を控え生活第一主義・格差社会是正を提言する姿勢は人権主義・護憲論と無縁
3)財界の意思に沿う自民党と民主党の収斂の可能性
  ━大連立政権論を射程にした、1.恒久派兵法での妥協 2.憲法審査会の運営開始 3.2010年以降の憲法改正国民投票
4)その論拠
  ━民主党と自民党の改憲案が大差ないこと。民主党も実質改憲促進に賛成してきたこと(国会の改憲論議、有事法制、教育基本法改正、防衛省設置、憲法改正国民投票法案など)
  *衆議院解散・総選挙後までは民主党は自民党と妥協しないだろうが
5)護憲派の課題━民主党の改憲策動を警戒・批判し、護憲の世論形成。
  当面、恒久派兵法案反対がポイント

<感想>
民主党が生活第一主義を掲げたことを私はそれなりに評価していますが、憲法や海外派兵問題に触れないということはやはり問題でしょう。澤野先生もあとで詳しく話されますが、そういう問題では民主党内の統一見解が出せないのでしょうね。民主党も実質改憲促進に賛成してきた具体例としては、教育基本法、国民投票法案では自民党とあまり違いのない対案を出し、有事法制や防衛省設置では賛成に回るなどを挙げておられました。確かに、解散総選挙までは対立姿勢を崩さないと思いますが、その後はどうなるのでしょう。


三、自民党の改憲論(新憲法草案)の特色と問題点
1)憲法(立憲主義)観━権力制限規範にとどまらず国民の行為規範
2)人権論━国や社会を守る責務の強調、保守主義と新自由主義的社会の指向
3)統治制度論━国民主権の軽視、内閣・首相権限の強化、国会軽視、地方自治の軽視
4)安全保障論━自衛力とあらゆる形の海外派兵、国家緊急権、軍事裁判所容認
5)憲法改正論━改正手続きの緩和、保守「革命」憲法

<感想>この段落は以前から私が強い怒りと失望を感じている部分です。自民党の憲法草案を読んだとき、(このブログにも何度も書いていますが)前文を読んだだけで吐き気がしてきました。フランス革命以来、200年以上かかって人類が得た叡智は何だったのでしょうか?時計の針の大幅な逆戻りではないでしょうか。国家権力は強大であり、誰が政権を取っても長期間のうちには必ず腐敗するという前提のもとに、一人ひとりの国民を国家の権力暴走から守るものが近代憲法です。自民党案は憲法「改正」といえるものではありません。新憲法の作成です。まさしく保守革命でしょう。新教育基本法(特に第二条)も同じ流れです。


四、民主党の改憲論(2005年『憲法提言』)の特色と問題点
1)憲法(立憲主義)観━権力からの自由だけでなく国民統合の価値
2)人権論━新しい人権を規定しつつ国民の共同責務も強調
3)統治制度論━国民主権を徹底するとしつつ行政権力を強化、住民自治の不確かさ
4)安全保障論━制約された自衛権(集団的自衛権も含む)、国連集団安全保障参加容認
5)大枠は自民党改憲論と同傾向━創憲の名の改憲論。ただし党内に多様な改憲論;極右、保守、旧社会党 系、市民派リベラル等

<感想>
民主党の憲法提言は草案のかたちにはなっていないそうです。人権を守ることや不十分とはいえ国連の制約という歯止めのある安全保障など、自民党草案よりは「ややまし」かと思っていましたが、もう少しかたちになってみないと何とも言えないようです。むしろ澤野先生がおっしゃるように自民党改憲論と同傾向とみた方が良いかもしれません。救い?は党内が一枚岩でないことでしょう。本気で草案を作ろうとすれば、党内分裂、政界再編につながるのではないでしょうか。


五、小沢一郎の改憲論と安全保障論
1)小沢「憲法改正試案」(1999年)
 1.保守主義、新自由主義的改憲論
 2.現行憲法無効論(新憲法制定論)、天皇元首論、新しい人権を認めつつ公共の秩序による権利制限を強調、憲法25条削除論、選挙なしの参議院制度論、憲法裁判所設置論、憲法改正手続き緩和論
 3.安全保障論━9条改正論(自衛戦力、国連の要請に基づく海外派兵、国連常備軍、緊急事態権の容認)
2)自民党小沢調査会の安全保障論(1993年)
・「国際的安全保障」論━非武装中立批判、国連中心主義・国際協調主義による海外派兵、日米安保基軸論
3)ISAF(国際治安支援部隊)参加論━国連決議に基づく海外派兵論
4)「国際的安全保障」「国連中心主義」論の問題点━9条の非戦・非武装・中立の理念の否定

<感想>
1999年の「憲法改正試案」は文藝春秋に発表されたものだそうです。ISAF参加は昨年の「世界」11月号の論文で記憶に新しいところですね。話はかわりますが、以前、国民投票法案が審議されているころに、公明党に電話してテレビ広告を公平にすることや、公務員の運動制限をやめることを頼んでいると、担当者はかなり武力行使に積極的な人で、私の言うことを「一国平和主義」ときっぱりと否定しました。今回の講義で「非武装中立批判で一国平和主義という言葉が使われた」ということを聞き、その時のやり取りを思い出しました。自分の国(一国)が平和でなくて、世界が平和になるとは到底思えないのですが・・。
憲法25条は有名な「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という箇所です。とても良い文章だと思うのですが、小沢氏の考えでは条文としては削除して前文に持って行ってしまうそうです。ともかく、小沢氏は国連決議を強調していますが(それはある程度評価します・・自民党案よりベターという意味で)、改憲論の本質は自民党案と同質かもしれません。


六、恒久派兵法案と改憲論
1)自民党案(2006年8月、国際平和協力法案・石破茂委員長)
・国連総会、安保理、経済社会理事会の決議以外に国際機関などの要請で派兵(集団的自衛権による派兵)、後方支援を超えて停戦監視、安全確保、警護、船舶検査等の活動が可能、武器使用要件緩和
2)民主党案(2007年12月、テロ根絶法)
 1.アフガン派兵━人道復興支援だけでなく治安分野支援、抗争停止合意形成支援、武器使用→ISAF参加論
 2.恒久派兵━自衛権発動・国連制裁対応の基本原則整備、国際平和維持・回復の国連新組織設置、国連決議がある場合の会場阻止活動参加、公海の航行の安全確保への寄与
3)恒久派兵法の要求背景
 1.財界━例えば経済同友会「イラク問題研究会意見書━恒久法の制定と日本型民軍協力の創設」(2004年11月);恒久派兵法、安全保障基本法、集団的自衛権の政府解釈変更、憲法改正の検討
 2.アメリカ政府━第二次アーミテージ報告(2007年2月)
 3.明文改憲以前に海外派兵正当化(解釈・立法改憲)━自民党と民主党案の妥協の可能性

<感想>
この部分が今回の講義のポイントです。自民党案で「国際機関などの要請で派兵」とあるのは特別に制約にならず、ほとんどの事項が「など」に含まれてしまう可能性があるそうです。民主党案の「テロ根絶法」は本来廃案にするべきところ、自民党からも評価の声が出て継続審議になっています。つまり、次の国会でまた審議されるということです。自民も民主も財界もアメリカも「それぞれの事態でいちいち特措法を作っていては面倒だし、迅速にできないので、恒久法を作ろう」という意向では変わりがないようです。
どなたかのブログで以前、恒久派兵について、「私は何でもかんでも一盛りいくらで買いたくない。それぞれの素材や品物を選んで買いたいのですが・・・」と例えておられる文があり、ユーモラスななかに鋭いと感心しました。私も同感です。さらに言えば、自衛隊は海外へ出るべきではないという信念は揺らぎません。
財界の項にある「日本型民軍協力」というのは、イラク戦争でも報道された民間軍事会社のことです。こんなものを作れと言っているのは、本当にどうかしていると思います。

<雑感>自民党の憲法草案や自衛隊恒久派兵法から見えてくる日本の将来像について、みなさんどう思われますか?こんな国がいいなあ、住みたい(子どもたちに住ませたい)と楽しみですか?戦争は専ら国外で弱い国を相手にしているので、国民は戦争について実感は持たずに暮らすでしょうね。ただ、戦争体制にあるため人権や情報の制限や規制はかなり行われるはずです。

私はそういう未来の日本に住みたくありませんし、子どもを住ませたくもありません。そのために、いま少しでもできることをと思って動いています。でも、もしそういう国になってしまったら・・・第三国への移住を考えるかもしれません。

ところで、日本がこういう動きから抜けたとしたら非難するのは誰でしょう?ヨーロッパの国々はたぶん関心が薄く、アジアはかえって近隣の脅威がなくてほっとするように思います。非難するのはアメリカだけではないでしょうか。


<子どもの日常>
私は器用な方ではありません。普通の生活だけでけっこう忙しいところに、やむにやまれずブログを書いたりほんの少し市民運動もどきをしています。心身ともに疲れて、子どもに対してつい余裕のない叱り方をしてしまうことが多々あります。
ところで、子どもの保育園では「○○してごめんね」「いいよ」と言ってお互いに謝ったり許したりするように教えてもらっているようです。そこで私もきつく言い過ぎたり、爆発したあとには(←子どももかなりやんちゃで手がかかるんです(^^;))、「○○と怒ってごめんね」と子どもに謝ることにしています。
すると、「もう許しているからいいよ」「いつもいつも許しているよ」「ごめんと言わなくていいよ」などと言ってくれます。「えぇ〜、どうして?」と尋ねると「だっておかあやん、好きだから」。何だかどちらが子どもか大人かわかりませんが、許してもらって嬉しい母です。
ちなみに、昨日は「好きだから」のかわりに「○○ちゃんのことを、いつもかわいいと言ってくれるから」でした。「かわいい」くらい何十回でも何百回でも言いますよ〜。仲良くやっていこうね☆


2008-01-29 11:48  nice!(2)  コメント(16)  トラックバック(41) 

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ayu15

力作ですね。
by ayu15 (2008-01-29 19:08) 

mai

ayu15さん
ありがとうございます☆今度は消さずに何とかアップできました。これも3日がかりです(実質2日だったかしら)。
by mai (2008-01-29 20:23) 

志村建世

よく精密に論証されましたね。憲法の平和主義を守れるかどうか、本当に大事なところだと思います。世界平和のために、どうしても銃をとって戦いたいたい人は、国籍を問わず参加できる国連平和軍の創設に向けて努力して貰うことにしましょう。個人参加なら日本国憲法に抵触しません。
by 志村建世 (2008-01-29 21:19) 

東西南北

 人類の特質についての事実関係、すなわち、人間らしさを規定している人類の遺伝子についての認識を棚上げにするのであれば、結論は簡単です。人類らしさ、人間らしさとは、とにかくよくわからないものであるから、議論をしてその時代で多数を占める意見なり、価値観なり、善悪を基準に安全保障政策を実現することになります。これは最高裁判所の統治行為論の見地です。

 そうであれば、議論するまでもなく、日米安保は憲法違反ではないし、自衛隊の現状も憲法違反ではない。当然にして、統治行為論であるから、MD導入も自衛隊海外派兵も、恒久派兵法も有事法制も国民多数が求めるのであれば憲法違反ではない、という結論になります。

 現状がいかなる国際情勢であろうが、日本国が自衛隊、日米安保を締結していることは憲法違反だというのが東西の態度であり、その根拠は人類の特質にあります。もっとも、日本国が軍事力を保持することが憲法違反であれば諸外国の政府が軍事力を保持することも憲法違反となるのは当然ですが、わたしたちは日本国民ですから、諸外国の政府の批判はできますが、主権者ではないです。なお、防衛戦争については違法な暴力であるが、それは防衛戦争として必要であり正当であれば妥当だというのが東西の見地です。ゆえに、現状、日本国が急迫不正の侵略行為を受けた場合には憲法違反であるが、防衛戦争として必要であり正当ならば軍事力を発動し、民族防衛戦争には積極的に賛成です。

 人類とは何か?人間とはどんな存在か?という根本・原点を見つめ直し軍事問題に対峙していくべきだと思います。人類は戦争のない社会に平和的に生存していく存在ではないでしょうか?憲法前文、9条、13条、25条。そして、人類の特質、長い進化の過程で獲得してきた人類の特質。事実関係。
by 東西南北 (2008-01-29 22:12) 

mai

>志村建世さん
ありがとうございます。この記事がもし良いとすれば、ほとんどが澤野先生のお力です。私は専門外の一市民として素朴な感想を書きました。「国連平和軍個人として参加」・・・いつもの志村さんらしいユニークで説得力のあるアイデアですね。本当にそうしてほしいです。どうしても国としてやりたいのなら(もちろん大反対ですが)、せめていやな人は抜ける(人的にも金銭的にも協力しない)という選択肢がほしいです。

>東西南北さん
私よりもずっと知識がおありです。じっくりと読ませていただきます。確かに、人間の知性や誠意、人類としての良さを捨ててしまうことにつながりかねない動きだと思います。

私は非武装が理想ですが、一足飛びには無理だと思います。共産党の方々がおっしゃるように、国土が侵略された時のみ防衛することは許容できます。
by mai (2008-01-29 22:28) 

solea01

経済のグローバル化で逃げられる国なんて存在しなくなると思いますよ。ここで(日本で)闘うしかないと思います。

法律も判決もそのときの社会の階級の力関係とでもいうようなものが反映されています。いくら緻密に法理論を組み立てても、その国の階級秩序みたいなものにマイナス、と思われればアウトでしょうね。そういう意味では、裁判所だの検察だの警察だのは基本的に信頼できない部分が常にある。

が、それでも「国家」の枠組みからは私たちは逃れられないのが現状なので、そのなかで可能なことをやろうと思います。コスタリカもニュージーランド(戦闘機や哨戒機廃止。ただPKOは一生懸命やる。)も参考になる政策は行っています。
by solea01 (2008-01-29 23:03) 

戦争ジャンキーのアメリカの愛人である限り、日本に未来はない。
by (2008-01-30 12:52) 

Ladybird

こんにちは,またお邪魔します.
>憲法25条は有名な「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という箇所です。とても良い文章だと思うのですが、小沢氏の考えでは条文としては削除して前文に持って行ってしまうそうです。
 原爆で焼け野原になった町に広島大学ができて,その初代学長になったのが森戸辰男さんです.この25条の文言は森戸さんが提案したものだったそうです.
 他の人たちは,そういう文言をわざわざ入れなくても,前文その他で十分にカバーされているではないか,と言って反対したそうです.けれども森戸さんは,人々の貧困や悲惨をよく知っていたので,どうしても条文として入れるべきだと頑強に主張したそうです.
 以上,NHKのある番組からの受け売りです.
by Ladybird (2008-01-30 14:17) 

tamara

とてもていねいにまとめられていて感心しました。私はとてもそんなエネルギーは湧いてきません。あれよあれよ、という世の中のひどい動きに呆然とするばかり・・。
by tamara (2008-01-31 11:02) 

女衒の辰

maiさん、すっごく勉強されているんですね。以前、古関彰一さんの書物を読まれていると知り、私も読んでみました。その中で印象深かったのが<軍事力で平和を生み出すことが出来ない事は、人類の歴史が、そしてイラクの現実が教えてくれていることですから、非軍事の安全保障政策を見出さなければなりません。
軍事力によらない平和の創造は、暴力の連鎖が続く現実を直視するとき、多くの困難がともなうにちがいありません。しかし、人類はいつの時代にも眼前の困難をおそれず、それに立ち向かって、歴史をつくってきました。いま、私達が軍事によらない平和を創造すること、それは私達の歴史責任と言えましょう。そのためにも、憲法九条は必要なのです。>
というのがありました。
更に、一国平和主義との批判に<消極的で独りよがりの九条観・平和観をつくりだしてきたことも否定できません。こうした九条観・平和観は、改憲勢力から「日本だけ何もしなくていいのか」と批判せれると、どこか後ろめたく、ひるんでしまう弱さを持っています。
憲法九条はどのような理由から制定されたのか、あらためて、原点に帰って確認する必要があります。
憲法九条は、単に日本が戦争をしないというだけでなく、日本が二度と戦争しないことを連合国、あるいは、アジアの戦争被害国に対して誓った誓約書でもあるのです。憲法九条を持ったことによって天皇制を残したまま戦後の国際社会に復帰することができたのです。日本国憲法の平和主義は、戦後世界で日本が生きていく為のパスポートであったことをあらためて確認する必要があります。>
即ち、憲法九条に立脚した、平和的行動派何も一国平和主義と批判されたからといって恥じる事の無い立派な国際公約に立脚した行動なのです。
by 女衒の辰 (2008-01-31 12:40) 

mai

>solea01さん
そうですね。グローバリズム、新自由主義の嵐は世界中のどこにいても降りかかってきそうです。私の場合、子どもには日本だけではなく、できればもっとリベラルな教育を体験してほしい・・という思いがあり、海外に興味をもっています。

裁判所の判例について少し勉強していますが、新しい見解を示すというよりも、現状や政府の方向を追認するようなものが多いように、素人ながら感じています。俗に言えば、「理屈と膏薬はどこにでもつく」で、その時の流れに傾いてしまうのでしょうか。そのなかで、私たちは最善を尽くしたいですね。
by mai (2008-01-31 18:04) 

mai

>shinwaさん
ありがとうございます。私はなかなかそういう単語が出てきませんが(笑い)、ぶっちゃけて言ってしまうとその通りだと思います。多くの人に事実を知って考えてもらうには、どうすればいいのでしょうか。それが悩みです。

>Ladybirdさん
こちらこそ、ちょっとごぶさたしています。私はTVはほとんどみないので、知りませんでした。もしかして焼け跡から生まれた憲法草案でしょうか?やはり25条は何気なく入れられたものではなく、当時苦労した方々の強い思いが込められているのですね。憲法の前文、9条、人権保障関係の条文には、そういう迫力を感じます。ところで、もうごらんになったかもしれませんが憲法の成り立ちについては、「日本の青空」という映画もお勧めです。各地で自主上映のかたちで上映会があります。いまはちょっと一段落したところかもしれませんが。インディーズという会社のホームページに予定等あります。http://www.cinema-indies.co.jp/aozora/index.html
by mai (2008-02-01 09:51) 

薩摩長州

>海外派兵型戦争国家のこわいところは、国民に戦争の姿が見えないことです。

そうそうその通り。戦場の非人間的なありようが本国と分断されると対岸の火事になる。

あの第二次大戦中でも、本国ではみな朝ご飯を食べ職場で働いてました。電車もいつもどおり走っていた。いつもとかわらぬ日々の積み重ねだったことでしょう。不自由と戦地へ身内を送らねばならない苦しみと悲しみはあったでしょうけど。

みなが戦争の悲惨さをあまねく知るのは本土爆撃をうけるに至ってだったのではないでしょうか。それはあまりに遅すぎる目覚めだった。
by 薩摩長州 (2008-02-01 18:49) 

mai

>tamaraさん
ありがとうございます。tamaraさんの最近の教育関係の一連の記事、読み応えがありましたよ。現場の声も書いてくださっていますので、これから小学校をどうしようかと迷っている者にとっては、たいへん参考になります。やはり私は保護者として納得し、「ここならば」と理念に共鳴する小学校に入学してもらいたいという思いを強くしました。ここは都会ではないので選択肢は少ないし、引っ越しなど思い切った方法が必要になりそうですが、それでもやはり譲りたくない点です。

>女衒の辰さん
ごぶさたしています。いつもブログ拝見しています。とても勉強になります。コメント入力をしたこともありましたが、パスワードが違っていたのか(メモをなくしてしまいました)うまく届かなかったようです。またトライしてみます。
古関彰一さんの言葉、重みがあります。ブログで紹介してくださった本も読んでみたいと思います。こういう方がメディアできちんと解説をしてくださると、国民の理解がずいぶん進むと思うのですが・・。天皇制の存続と9条とはたしかにセットで制定されていますね。憲法制定時の歴史が風化していっていることも、いまの危機の一因でしょう。

>薩摩長州さん
ありがとうございます。身内の者からも「第二次世界大戦で中国や南方で戦線を拡大している間は戦争の実感はそれほどなかった。たいへんだと思ったのは本土への空襲が始まってからだった」という意味の言葉を聞いたことがあります。薩摩長州さんのおっしゃる通りですね。

(以前の記事にも書きましたが)アフガンやイラクで後方支援をしている現在は、すでに戦争中だと理解するべきだと思いますが、国内にそういう危機感がほとんど感じられないことが恐ろしいです。「生死の危険にさらされているのは遠い世界の人のことで、胸は痛むけれど仕方がないことだ」。そういうムードの国民に対して、自分たちが選挙権を行使することによって、この国の対応は変わり得るのだということを言いたいです。
by mai (2008-02-02 09:56) 

Ladybird

 maiさん,ご紹介ありがとうございます.「日本の青空」ですね.私が関係しているMLのほうで紹介させて頂きます.
by Ladybird (2008-02-04 09:55) 

mai

Ladybirdさん
MLでのご紹介ありがとうございます。たくさんの人に知っていただけそうで嬉しいです。映画では、ある程度フィクションが混ざっているかなと思ったのですが、その後で中公文庫「新憲法の誕生」古関彰一氏という本を読んでみると、学問的分析をしたその本にもほとんど同様の記述がありました。史実に忠実に作られているようです。また、普通の映画として観ても十分楽しめます。
by mai (2008-02-05 18:48) 

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