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【知人よりの情報】大連立騒ぎの陰で労働法案の委員会採決が行われた? [政治の不思議]

今日、昼前に労働問題に詳しいMさんとお話しする機会がありました。以下はMさんの話と帰宅してから私がネットで調べた情報です。Mさんとはあまりお話しする時間が取れず(立ち話程度)、しかも私はこの問題についてこれまで知識がありませんでしたので、情報の精度については保障できません。どなたか詳しい方がいれば解説・訂正していただきたいです。

まず、私は昨日の自民・民主の大連立問題をお話ししたのですが、Mさんは「その陰で、労働契約についての委員会採決が行われ、民主党も賛成して可決された」と嘆いておられました。Mさんによると、労働条件の変更について、雇用者側の立場が強くなり、かなり随意に変更ができるようになるとのこと。「労働基準法の変更くらいのインパクトがあり、例のホワイトカラーエグゼンプションなどより影響が大きいのに、新聞はほとんど報じていない」。

帰宅してから取っている新聞を見てみましたが、関連するような件は見当たらず。ネットでも昨日、今日のニュースとしては見つけることはできませんでした。いろいろ探してみると「労働契約法案」のキーワードで、今年の3月に厚労省が作成し国会提出について閣議了承された法案が見つかりました。このなかに、確かに労働条件の変更について触れていますので(しかも太字で)、これのことでしょうか。

厚労省の法案をリンクしておきますのでごらんください。以下は、Mさんが言っておられた箇所ではないかと私が判断したところです。

******************************************
<労働契約の変更>
就業規則の変更については、手続しかルールがなく、内容のルールは判例に任されている(一般の人にとって不明確)

・合意原則の明確化
・一方的に就業規則の変更により労働者に不利益な変更ができないこと
労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係わる事情を考慮して、就業規則の変更が合理的な場合は労働条件が変更されること

*******************************************
う〜ん、私はこのあたり詳しくないので何とも言えないのですが、確かにこの書き方だと、立場の強い雇用側が有利になるような・・・?民主党との協議である程度、修正されたものになったのでしょうか?すごくはっきりしない情報で申し訳ありません。上にも書きましたが、詳しい方、補足してくださるとありがたいです。

ところで、最低賃金の数値化は見送られそうですね(これは新聞にもちょっと出ていました)。

先日、ある勉強会で(政治的ではなく、学術的なものです)、別々の演題で話された講師の方が異口同音に「日本は労働者に冷たい国です」と言っておられ(二人はそれぞれの話の内容を聞いていません!)、「やはりそうなのか」と思ったばかりなので、何となく気が滅入ってしまいました。


2007-11-03 15:01  nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 

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志村建世

昨日まで連合の「08春季生活闘争討論集会」に行っていたのですが、この委員会採決についての話題は出ていませんでした。法案を見たところ、玉虫色の部分が多くて、男女雇用均等法の初期の頃を思い出しました。要は基本原則を訓示的に示しただけで、実効性のある法律になるかどうかは、施行規則や判例によって決まってきます。労働側にとって使える武器になるかどうか、どこまで真剣に労使交渉に取り組めるかが問題でしょう。世論の空気は、労働側にとって有利(同情的)に流れているように感じます。
by 志村建世 (2007-11-03 18:00) 

mai

志村建世さん
早速の情報、ありがとうございます。なるほど、確かに玉虫色ですね。私も「具体的なこと、書いてないなあ〜」とは感じていました。世論は確かに労働側に有利な感じもします。また、機会を見つけて情報をくださった方に詳しく尋ねてみます。
by mai (2007-11-03 21:56) 

東西南北

1:以下が詳しい解説ですね。

労働契約法案及び労働基準法改正法案に対する見解

2007年4月2日

日本労働弁護団
幹事長 鴨 田 哲 郎

 http://homepage1.nifty.com/rouben/

 ポイントはまいさんが挙げた「就業規則」の不利益変更について、判例を条文に盛り込むか盛り込まないかのようです。

 現在は判例法でよって使用者の一方的な「就業規則の不利益変更」は認められていないですが、現実は「就業規則の不利益変更」を使用者が一方的に決めている現状です。その背景には労働組合が存在しない事業所が7割ある実態があるということですから、今回の労働契約法では、個々の労働者の合意がない「就業規則の不利益変更は無効」という条文を盛り込むかどうかが争点です。この点、民主党はあいまいのようですね。

 2:労働契約法案ー労働者保護が基本ー

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-11-03/2007110302_02_0.html
by 東西南北 (2007-11-04 11:02) 

wakuwaku_44

新たに「労働契約法」をつくるよりも、労働法制そのものを全面的に見直して交通整理をした方がいいと思いますね。他の労働法制とかぶる部分が多い。

あと、具体的数値を法律で設定するのは難しいでしょうね。
東京と地方では「あるべき最低賃金額」が異なりますし、企業の「支払い能力」は各企業によって異なります。カンタンな例を出せば、「30年前と今では、少年誌1冊の値段が異なる」わけです。

これを考えたときに、『最低限の労働条件』を設定する際に、「計算方法の設定」「算出基準の設定」を法律で定め、その基準によって出されたものを『最低限の条件として、法的に強制力を有するもの』とするのが適切なのかなと思います。もっとも、その基準の設定もいろんな意見があるでしょうけど・・・・。
by wakuwaku_44 (2007-11-04 12:52) 

東西南北

  最低賃金法改定については、以下です。

 (中小企業への助成策)

 1:企業の支払いの能力論に関して。

 (中小企業への助成策)

 中小企業における最低賃金制の円滑な実施のために、大企業による下請け単価の買いたたきを規制するとともに、最低賃金を保障できる下請け単価を実現する。また、規制緩和政策の見直しをおこない、中小企業への優遇税制や特別融資、賃金助成などの助成策を抜本的に強化する。さらに、国や自治体が発注する事業について、それを請け負う企業が労働条件を確保することを義務づける公契約法・条例を制定する。

 日本の最低賃金が世界でも最低水準になっているのは、「生計費」を基準にすべきなのに、企業の「支払能力」を基準に加えているためです。日本の最低賃金が世界でも最低水準になっているのは、「生計費」を基準にすべきなのに、企業の「支払能力」を基準に加えているためです。

 世界をみると、ILO(国際労働機関)がデータを公表している百一カ国のうち62%の国が、「生計費」あるいは「労働者とその家族の必要」を基準に定めています。

 日本のように「企業の支払能力」を定める国は十五カ国。

 世界第二位の経済力をもつ日本が企業の「支払能力」を基準にしているのは異常です。

 したがって、最低賃金の決定基準は生計費のみとし、現行法にある「支払能力」を削除します。中小零細企業が最低賃金を支払えるように、大企業の下請けいじめや規制緩和による過当競争を規制するとともに、助成措置を講じることが必要です。
 
 2:競争力論について。

 大企業の好景気が賃上げに結びつかないと国民の本格的な消費は伸びないのはそうだと思いますが、そうすると、コストアップで輸出に影響が出て、国際的な企業競争に影響がでるといわれています。どう考えればいいのでしょう。

 賃上げをすると、コストはたしかにアップします。しかし、日本の企業が賃上げすることで、国際競争に負けるというようなことはありません。というのは、日本の労働者の賃金は、欧米の労働者と比べても低い水準にあるからです。

 物価の違いを反映した購買力平価で、賃金を比較するのが公平なやり方ですが、この方法で比較すると、日本の賃金を100とすると、ドイツ158、アメリカ129になります。また、為替レートで比較しても、独立行政法人・労働政策研究・研修機構『データブック国際労働比較2006』によれば、日本100に対して、アメリカ107、ドイツ135となっています。

 日本の賃金は、アメリカやドイツなど欧米の労働者と比較しても低い水準にあります。

 しかも、日本の大企業は、バブル期を上回る史上最高の利益を上げています。異常なまでの利潤第一主義で、リストラと海外での売り上げを伸ばしているのがその要因です。トヨタは日本企業で初めて営業利益が2兆円を突破しました。この10年間の大企業(資本金10億円以上)の経常利益の推移を見ると、1995年度は13兆9050億円だったのが、05年度には29兆4326億円と、実に、2・1倍も伸びているのです。一方、労働者の賃金は下がるばかりです。97年をピークとして、大企業の業績が回復した02年以降も減り続けて、05年には、ピーク時の93・5%の436万8000円にまで低下しています。

 企業業績が好調でも、賃金を下げる――こんな国は、世界中を見渡してもありません。アメリカやドイツ、フランス、イギリスでは、99年と比較すると、6%から20%近く賃金が増加しているのです。

 ILO条約にも示されているように、労働条件を競争力の道具にしないというのが国際的なルールです。日本で賃上げを実現することは、国際的に見ても異常な日本の大企業の利潤第一主義を是正して公正な競争ルールを守らせるためにも、また、内需を拡大して日本経済全体を健全に発展させるためにも必要になっています。

 3:地方格差について。

 地域ごとにバラバラに決めていることも、格差を広げ、水準を引き下げる要因になっています。つまり、「低い方へあわせる傾向を持つのが資本主義における賃金低下傾向の原則であり、これを防止し、労働者の生活を保護していくことが労働法制の基本です。

 世界をみると、ILO(国際労働機関)がデータを公表している百一カ国のうち地域格差を残している国はわずか九カ国しかありません。地域ごとに格差を掲げているのは異常です。

 
by 東西南北 (2007-11-04 20:57) 

mai

>東西南北さん
いろいろと調べて(元からご存知だったでしょうか?)教えていただき、どうもありがとうございます。「個々の労働者の合意がない「就業規則の不利益変更は無効」」という一節はぜひ入れてほしいものだと思います。「ILO条約にも示されているように、労働条件を競争力の道具にしないというのが国際的なルールです」・・・これも良い考え方ですね。常識になってほしいです。私の苦手分野なので、もう少し勉強します。ありがとうございました。
by mai (2007-11-04 23:47) 

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