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安倍氏辞任のかげに何があるのだろう? [対米関係]

国内外の素敵な教育の話を書いている方がずっと楽しくてストレスも少ないのですが、今日は苦手で不快な話題ですが、自分のためにもここでまとめておかなくてはと思い、取り上げることにしました。

私はごく一般的な市民ですので、政治の裏面を知る術がないし、もともと基礎がないので経済問題はとても苦手です(いま、少しずつ勉強中ですが)。ブログの方針として、背伸びせず自分の言葉で書ける範囲のことを綴っていこう、そして陰謀・謀略説など証明が難しいことは極力取り上げない・・・ということでやってきました。時々、筆ならぬキーボードがすべってしまいますが(笑)。

そういうわけで、年次改革要望書や外資のいわゆるハゲタカファンドなど、日米関係の具体的な問題点については、ほとんど触れずにきました。私などが書かなくても、もっと見識の高い方がたくさんおられてネット上で絶えず情報を示しているし、このブログに来てくださる方と比べても自分はそういうテーマの知識が豊富とは思えず、書く分際ではないと思ってきました。

しかし、今回の安倍氏の辞任劇の意味を考えると、やはりそこには米国、そして米国に従う日本のマスコミ・財界の意向が強く働いているように見えて、「アメリカはこわい」という思いを新たにしています。他のブログを拝見すると、触れている方もいるけれど、書いていない人の方が多い。ということは周知の見解ではないのか?と思い、みなさんの意見もお聞きしたくて書いてみます。不得意な分野のため、細かい点など間違いがあるかもしれず、そこはお許しください。

なお、私は国としての対米従属には強く反対していますが、アメリカの文化や風土、個々の国民に対して悪感情は持っていません。音楽ではイーグルスやTOTOとか好きです(笑)。あっ、亡くなってしまいましたがジョン・デンバーもファンです。ただ、日米関係、もっと広げるとアメリカが世界各国に取る態度にとても疑問を抱いているのです。

安倍氏辞任に関して、「米国がかげにいるのでは」と疑うに至ったのは、次のような点からです。

米国議会で従軍慰安婦問題が取り上げられ、安倍氏の姿勢が非難された・・・私はこの点だけ取れば、米国の言い分に賛成ですが、自国にとって直接利益になるわけでもないことについて、なぜそんな決議をするのかが不思議でした。考えられる理由としては、東アジアの安定において、安倍内閣の持つ極右的歴史観が障害になると判断したのではないでしょうか。さらに、日本が戦前のような国家主義的な国になることをアメリカは決して望んではいないでしょう(自国と一緒に戦争はしてほしいけれど)。このニュースに接したときから、「どういうかたちで降りるにしろ、安倍氏が首相でいる期間は残り少ない」予感がしました。

北朝鮮問題について、日本をカヤの外に置く姿勢をとり続け、強硬な安倍内閣は6カ国協議でも浮いてしまった・・・拉致はもちろん大問題ですが、日本が一国で強硬な態度を取れば解決するか?と言えばそうは思えず柔軟路線がベターだと思うのですが、明らかに日本を「仲間はずれ」にする態度を取っています。これも米国政府が安倍内閣に対して好意的ではないということの現れではないでしょうか。

日米豪首脳会議から帰国してすぐに辞任発表というタイミング・・・国内でこれだけ逆風があったにもかかわらず組閣までこぎつけた安倍氏が外遊から帰った直後に辞任。これは外国で何かあったと考えたくなります。あくまでも想像ですが、ブッシュ大統領から「拉致は忘れろ」(←これは反戦な家づくりの明月さんの見解です)とか「これ以上首相を続けると脱税問題で逮捕されるぞ」(←これは私の勝手な想像です)など、辞任せざるを得ない一言があったと考えるというのはいかがでしょうか。そうすると、あの間の悪いタイミングはいちおう説明できますが・・・(後記:朝になって読み直してみると、夜に書いたせいか、このあたりはかなり想像たくましくなっていまして(汗)、いくつかの可能性のうちの一つとして、お読み下さい)

マスコミの論調が参院選前から、明らかに民主党応援になっていた・・・格差が広がり社会保障は削られ、国民の間に不満の声が高まっていたのは事実ですが、それを差し引いても、マスコミは選挙前から2大政党化を推奨して、しかも反安倍、反自民の報道のしかたでした。「これだけ旗を振れば、国民はそっちへ行くだろうなあ」という予測通り、民主党の勝利。何だか既定路線そのままという感じです。現在のマスコミ(とりわけテレビ、大手新聞)が決して正義の味方などではなく、逆に御用報道機関になってしまっていることはリベラル系ブログをしている方ならみんな感じていることだと思います(個々には良心的な記事はあります)。そのマスコミがなぜ、あれほどまでに、民主党寄りの報道をしたか?マスコミには外資、そしてあの大手広告代理店を通じてアメリカ、そして日本の財界の意向が大いに入っていることが知られています。そのマスコミが不自然なほど応援する=アメリカの意向の反映ではないでしょうか(このあたりについては、喜八さんのブログで繰り返し分析されています)。

安倍氏の脱税問題がにわかに浮上した・・・これは次の記事でもっと詳しく取り上げようと思いますが、評論家の森田実さんは「アメリカの日本改造計画」という本のなかでアメリカは、日本の政治家の弱みを握って支配するために、日本の政治家のスキャンダルを絶えず調べています。(中略)それがアメリカ大使館にいる調査期間の仕事です。スキャンダルを探し出して、それを仄めかしながら日本の政治家を従わせるわけです。従わない者は、スキャンダルをマスコミにリークして失脚させるわけです。として、その例として細川首相の佐川急便裏金事件を挙げています。安倍氏の相続税問題も同じことだったのではないでしょうか。

*****************************************
拙い考察ですが、これだけ重なると、安倍氏辞任のかげにアメリカの圧力あり・・・と私などは考えてしまいます。安倍氏の辞任は私たちにとって望ましいことですが、そういう可能性を考慮すると、とても手放しでは喜べなくなってしまいます。結局、アメリカにとって「都合の良い国」であり続けるのでしょうか。


2007-09-15 22:54  nice!(0)  コメント(8)  トラックバック(0) 

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ウッピョン

素晴らしい洞察力と分析力に感服いたしました。これからも鋭い指摘を期待しています。勉強になりました。ありがとうございます。
by ウッピョン (2007-09-16 00:52) 

kimera25

まいさん!
kimera25で連日この問題は取り上げてます。
ただ、あまり表にしていませんが
安倍は完全な「鬱」病です。
鬱のkimeraが言っているから
99%間違いありません。

安倍はいま慶応病院の4Fにいます。
18日復帰は実際厳しいと思います。

王監督が入院していた同じ病棟です。
え?ウソでしょう!って!
いえ、私も慶応に血液外科手術で入院していましたので
詳しいです。
何せ1ヶ月のリハビリを病院散策でやってますから
めちゃくちゃ詳しいです。
慶応はカウンセリングで精神科の先生がつきます。
多分そこで診断されてます。
kimera25上ではそこまで追求していません。
特別です。サービス!公にしても間違いないのでOKですよ。
by kimera25 (2007-09-16 01:06) 

mai

>ウッピョンさん
過分のコメントをいただき、どうもありがとうございます。何度も書いているように決して私の得意分野ではないので、自信満々とはいきませんが、参考になれば幸いです。次の記事でご紹介するつもりでしたが、対米問題では「拒否できない日本」文春新書(関岡 英之・著)、「アメリカの日本改造計画」イースト・プレス社などの本がお勧めです。未読でしたらぜひ!他に何冊もありますが、私はまだ勉強途中でそこまで読めていません(^_^;)

>kimera25さん
実はkimeraさんは私の陰の?先生なのです。
>私などが書かなくても、もっと見識の高い方がたくさんおられてネット上で絶えず情報を示しているし、このブログに来てくださる方と比べても自分はそういうテーマの知識が豊富とは思えず
↑の「見識の高い方」「ブログに来てくださるなかで、ずっと知識が豊富な方」には、当然kimera25さんのことも入っています!

安倍さんは表情からみて確かに「鬱」っぽい印象は受けました。でもkimera25さんも「鬱」とは?!大丈夫ですか?血管外科手術後の経過は落ち着いていますか?何だか、安倍さんよりkimera25さんのことが心配になってきました。とりあえず、特別サービスの情報、ありがとうございます。
by mai (2007-09-16 01:31) 

solea01

タイミングがおかしすぎる辞任(所信表明演説の直後なんて前代未聞、青天の霹靂)ですから、この可能性は考えられますが、支持率ががた落ちの安倍政権ではテロ特措法延長は不可能と読み、この点が米国には一番の問題だったのではないか、と思えます。タカ派ですが、安部も首相になってから二枚舌を使うように「核武装論」などは表面に出さないようにしていますし、基本的に対米従属派であることでは小泉とそうかわりません。まあ、それは福田だろうが、麻生でも同じですがね・・。

過去には田中角栄がロッキード事件で葬られたことがありますが、あれは日中国交正常化を断行したために米国に葬られた、という可能性はかなり高いと思います。(キッシンジャーなどの回顧録ではかなり米国側が不快感を持っていたということです)ロッキード事件の発端は米国からですしね。

何にせよ、日本がアメリカの子分であり続けるのはやめていただきたい。アジアで平和的に地域の問題を解決するためにもっと平和憲法の精神を生かした独自の外交政策を正面に出してもらいたいものです。
by solea01 (2007-09-16 08:07) 

wakuwaku_44

これは村上さんへの反論です。ただ、きつく言うつもりはないですから、「なるほど、こういうもんかな」って思っていただければ、と思います。


○米国議会で従軍慰安婦問題が可決

アメリカは「人道主義」に議会も世論もうるさいですからね。
その意味で「慰安婦」は看過しえない問題ですから、こういう類の勧告は成立しえます。
といっても、村上さんがお考えになる東アジアの安定とか極右的歴史観がどうというのはありません。
というのも、この決議案は、実は「日本は最重要同盟国だ」という文言を含ませることと、参院選後に成立という2つの条件と引き換えに成立した経緯があります。(「日本は最重要同盟国だ」ということは、ホンダ議員も飲んでいます。)
従って、あくまでも「米国内世論としての慰安婦問題」と「日米同盟を今後継続したい」という境目の妥協点で成立したとするのが妥当だと考えます。

あと、アメリカに限らず、中国も韓国も、本音部分では「日本がかつてのような軍国主義的国家になる」という懸念は「微塵もありません」。
なぜなら、「そういう気持ちになっても、無理」だからです。国際情勢や日本の国家財政をかんがみても、村上さんが懸念するような条件はないですし、今後その条件が成立する可能性は、低くなることこそあれ高くなることはない。そのことぐらい、中国の政治家や韓国の軍司令官クラスは承知しています。ただ、外交カードとして「わざと」懸念を示しているに過ぎません。


○北朝鮮問題

アメリカが日本をカヤの外にしているのは、安倍内閣がどうこうではなく、「北朝鮮へ軍事オプションを選択しにくい」からです。
というのも、現在、アメリカはイラクとアフガンでテンパっている状況に加え、北朝鮮攻撃には、中国の反対もさることながら、韓国の協力を得られない状況に置かれていることがあります。
そして、別にアメリカは日本の強硬姿勢を是正することを求めていないことに着目する必要があります。実際、北朝鮮問題において日本をカヤの外に置くことはできません。なぜなら、北朝鮮への支援問題が浮上したとき、日本の協力なしにそれが現実化することはありえないからです。
今のアメリカは、北朝鮮については「最悪の事態を回避する」というネガティブな対応をしているに過ぎません。このため、日本の強硬姿勢を是正する必要もなければ、「当面の措置」ですから、「強硬姿勢の日本」がいてくれる方がいいのです。

ゆえに、6カ国協議をしつつも、日本にF-22戦闘機を配備したり、イージス艦を日本海に展開する等も同時にしています。アメリカも決して柔軟一辺倒ではないですし、日本をカヤの外に置く気はありませんよ。


○ブッシュ大統領から「拉致は忘れろ」とか「これ以上首相を続けると脱税問題で逮捕されるぞ」

これはないでしょう。(笑)
それなら、所信表明演説の前に辞めてますよ。(笑)


○マスコミがなぜ、あれほどまでに、民主党寄りの報道をしたか?マスコミには外資、そしてあの大手広告代理店を通じてアメリカ、そして日本の財界の意向が大いに入っていることが知られています。そのマスコミが不自然なほど応援する=アメリカの意向の反映と考えます

それだったら、参院選直後に辞任表明してますよ。(笑)
選挙までは強硬姿勢でいけますけど、選挙で明らかに結果が出てしまったわけですから、もし、それが事実だとすれば、あの結果だと、どんな内閣を組織しても無駄なんですから、だったら辞めた方が早い。
遠藤農水大臣やあと政務官の不透明なカネの動きが出てしまって、「また同じ」になってしまって、「もう、これでは何もできない」と思ったというのが本当のところだと思うんですけどね。


○安倍氏の脱税問題がにわかに浮上した

アメリカ大使館が関与しているならば、逆に「この時期での辞職はない」でしょう。日本の政局が不安定になってしまったら、アメリカにとっても利益になりませんから、「安倍辞任が政局の安定につながる」というタイミングを図って圧力をかけるでしょう。
現に、今回の辞職で政局は大混乱に陥っています。自民党内もゴタゴタしてしまっているし、民主党も動きが取れなくなっている。これはアメリカにとっても好ましい展開ではないので、アメリカ大使館やCIAが関与している可能性は低いんじゃないでしょうか。
細川内閣のときは羽田・小沢が健在で、細川氏の代わりがすぐに見つかる状況でしたし、さらには自民党も力を盛り返しつつありましたから、政権交代をしても日米同盟に支障が出るわけでもない。
でも、今回は、日米同盟すら先行き不安定になりかねない政局の混乱ですから、そんな自爆テロをアメリカがするとは、ちょっと考えにくいですね。(笑)
by wakuwaku_44 (2007-09-16 13:44) 

mai

>solea01さん
コメントありがとうございます。そうですね。テロ特措法が一番の問題だったでしょうね。私もそう思います。私の書いたのは、特に日米豪首脳会談の件は、完全に想像の世界です(恥ずかしい)。まあ、全体にこういう可能性もあるという程度で読んでください。夜に書いたので、何となくムードに流れてしまいました。

ロッキード事件は森田実さんの文章でも、soleaさんと同じ見解を出されていました。確かに、アメリカ発の情報ですからね。

>何にせよ、日本がアメリカの子分であり続けるのはやめていただきたい。アジアで平和的に地域の問題を解決するためにもっと平和憲法の精神を生かした独自の外交政策を正面に出してもらいたいものです。
この点、全く同感です。日米安保条約をどうするかはさておき、独立国同士のつき合いをしてほしいものです。私のこの記事で言いたかったのも、結局、そのことです!ありがとうございました。

P.S.家のプリンターの件ですが、夫が保証書をしまいこんでしまって、いまだに修理に出せません(かなり不便しています)(>_<)soleaさんとのお約束も果たせておらず、本当にごめんなさい。

>WAKUWAKU_40さん
コメントありがとうございます。勉強途上の私には、なかなかお返事が難しいので、情報として読ませていただきます☆
by mai (2007-09-16 14:14) 

wakuwaku_44

maiさんへ

毎度、名前を間違えまして、本当に申し訳ございません。
このとおり、土下座してお詫び申し上げます。m(_ _)m


maiさんのお話は、小説としてはおもしろいんですけどね。(笑)

ただ、正直言って「アメリカが自分で自分の首を絞める陰謀」になってしまってるので、かなり自虐的ドラマになってるなと。(笑)
実際、安倍氏の海外での評価は高いんですよ。国内での評価はとんでもなく低いですけどね。
特に、アメリカと中国での評価は非常に高い。対中政策では福田氏も評価が高いのでいいですけど、対米政策ではどうだろうか・・・。



日米関係で、日本がそんなに弱い立場じゃないことの証拠としては

1.アメリカがイラン攻撃ができないのは、ロシア・フランス・中国の強硬な反対のみならず、日本とイギリスが難色を示しているのが大きい。日本はイラン問題については、むしろロシアやフランスと連絡を取り合い、イランにも働きかけて、アメリカの攻撃の口実を与えないように動いている。

2.日米地位協定の「在日米軍人による犯罪」については、「好意的配慮」が常態化している。従来、起訴段階での引き渡しが条約上の規定だが、交通事故程度であっても、「翌日出頭」になるだけでなく、米軍基地においては「基地の外に出たら、日本の法令を遵守すること」という教育がなされている。ちなみに、在韓米軍では、こういうことは「ありえない」。

まだまだありますけど、本当に長くなってしまいますので、とりあえず。(汗)
by wakuwaku_44 (2007-09-16 18:09) 

東西南北

 非軍事同盟・中立の国が多数あり、社会主義陣営の軍事同盟が崩壊したのに、日本国憲法9条を持つ日本国は日米軍事同盟で押さえつけられたままですもんね。まあ、従属国であることにまちがいないですよ。これが根幹です。

 安部が辞任したのは、このまま行けばリアルに次の解散・総選挙で大敗北するという実態が出たんじゃないでしょうか?参議院敗北時は、内閣改造の劇場型で乗り切れると認識していて、現に支持率が回復した。が、その後の不祥事でどうしようもなくなった。これでアベエンドだったんじゃないでしょうか?

 結局、自民党と公明党の内閣では、イラク戦争もアフガン戦争もアメリカについて行くだけということが事実です。ゆえに、安部辞任でも、福田就任でも同じですね。どちらも自民党の代表なのですから。それを支えるのが公明党ですから、創価・公明は自民党の実働部隊という位置付けですね。

郵政民営化は要するに金融投機に郵貯を運用していくためですよ。ヘッジファンドで不労所得中心のギャンブル経済への移行です。
by 東西南北 (2007-09-16 21:18) 

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