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政策でみると民主党がはるかにベターだと思いますが・・・ [07参議院選挙]

民主党も大きな目でみると、現在の社会の枠組みをそのまま続けようという「保守政党」だと理解しています。私は、日米関係を中心とした日本の外交のありかたや、社会福祉や教育分野にまで小さな政府理論を持ち込む考え方にとても疑問(というよりむしろ反対意見)を持っていますので、保守化の流れには賛成ではありません。

そういう意味で民主党の躍進を手放しで喜んではいませんが、いまのところ個々の政策で見ると、民主党の政策がはるかにベターだと思います。そのあたり、私はほとんど直感的な捉え方でしたが、津久井弁護士さんのブログで「今のところベストな護憲策は民主党の政策実現」という記事で明快に解説してくださっています。下記に紹介します。

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今回の選挙では,社民・共産が議席を減らし,護憲新党も振るわず,「憲法をまもる」という観点からすると,少なからぬ不安も感じる結果だった。
 自民党はもとより,民主党も基本的に「改憲」を訴えており,民主党の中にはかなりタカ派的な論者もいるからだ。

 しかし,選挙後の民主党の活動を見ていると,民主党の政策の立法活動をしっかり実現してもらうのが,今の情勢に照らすと,最良の護憲策ではないかと思う。

 民主党が,目下,提案している主な法案等は,次の3つだ。

◇年金流用禁止法案
 (=国民が積み立てた年金を他に流用させないとするもの)

◇政治資金規正法改正案
 (=全ての政治団体に,全て領収書添付を義務づけるもの)

◇テロ対策特別措置法反対&イラク復興支援特別措置法廃止法案
 (=米軍追従姿勢に対し「No」と言える日本の姿勢を打ち出すもの)

さらに他にも,過去に提案したものとして,ヤメ蚊弁護士さんから教えてもらった,

◇通信・放送委員会設置法案
 (=放送行政を政府から解放し,独立行政委員会に委ねるもの)

がある。

◆年金流用禁止法案は,いうまでもなく,憲法25条2項「国は…社会保障…の向上及び増進に努めなければならない」の具体的な実現である。

◆政治資金規正法改正案は,憲法91条「内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。」の具体的な実現である。

◆テロ特措法やイラク特措法廃止法案は,憲法前文「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」と憲法9条の精神の具体的な実現である。

◆通信・放送委員会設置法案は,憲法21条「表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」の具体的な実現である。

憲法をまもるということは,憲法を箱入り娘のようにお蔵入りして改憲をタブー視することではないだろう。 憲法をまもるということは,憲法を,実際のリアルの社会で,具体的に実現していくことである。

 そういう発想に立てば,一抹の不安も,具体的な期待に転化する。

 民主党の一連の立法提言は,憲法実現法案と位置付けて,これを後押しすることこそ,現在の日本におけるベストな護憲策だと思うのである。

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転載以上です。追加すれば教育政策も民主党の方が優れていると思います。

<投票日前の毎日新聞記事より>
◇自民
 教員免許更新制や不適格教員を教壇に立たせないシステムの円滑実施▽習熟度別指導の充実などで確かな学力を約束し、規範や礼儀を教える▽学校評価を一層推進
 ◇民主
 教育への公費支出増。03年対国内総生産比3.5%を先進国平均(同5%)以上に▽高校は希望者全入・無償▽奨学金制度拡充▽設置者や学校の裁量で学習内容を決める

自民案が「お金をかけず口を出し、制度をいじって政府の思い通りの教育を実施する」という方向であるのに対して、民主案は対GDP比できちんと目標を出しています。教育費の公費支出はOECD諸国で本当に最低ランクにあります。(図録:学校教育費の対GDP比(国際比較))教育費の支出を増やして、少人数学級、教員の待遇向上、学習内容の充実を計ることが最大のポイントだと思います。さらに自民党の中央集権的教育観に対して、「設置者や学校の裁量で学習内容を決める」というものも、本来の教育のありかたでしょう。

取りあえずは、テロ特措法への対応に注目しています。自民党のように米国の戦争のたびに同調して派兵や支援を続けるのか、それとも米国とは一線を画して独自外交への道を進む第一歩となるのか。その方向性が見て取れるでしょう。民主党が最後まで反対の立場を崩さなかったら、今後も民主党をかなり評価します。

新聞によれば菅直人氏がテロ特措法に対しては「柔軟な対応があり得る」という旨の発言をしたとのことです。自民党やアメリカ政府に寄った柔軟な対応ではなく、世界平和と日本の視点からきちんと判断してほしいものです。


2007-08-06 10:46  nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 

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コメント 3

tamara

まいさん、こんにちは。お元気ですか。
参院選という大きな山が終わって今はいろいろな政界の動きに注目、という所ですね。民主党は今日の朝日新聞では、党内では改憲反対派が賛成派を上回ったと報道されています。どちらとも言えないという立場の人もいるので油断はできませんが。
(政治家なのに「どちらとも言えない」「不明」の部類に入る人は何なんだろうと思います。)次の衆院選までは民主党は護憲の立場を守るのじゃないかなあとは思いますが、市民の声もしっかりあげていきましょう。教育については一番正しいとらえ方をしていたのが、共産党、社民党なので、議席を減らした今、もう元に戻すことはますます不可能になったかと残念な気持ちです。
by tamara (2007-08-07 13:30) 

ayu15

maiさん英語は読めますか?
うちのブログに憲法改正の記事載せてます。
内容は・・・聞かないでください^_^;
by ayu15 (2007-08-07 14:02) 

mai

>tamaraさん
おひさしぶりで〜す。tamaraさんの記事、毎回読ませていただいています。選挙からすぐに某大学の試験があり、毎日バタバタの生活でごぶさたしています。いまは試験も終わり、ようやく一息です。tamaraさんのおっしゃるように、本当は社民、共産の教育観の方が良いと思います。私も両党の議席減はとても残念です。でも社民、共産、そして弱小9条ネットの得票数を足すと、公明党に匹敵するという情報があり(自分自身ではまだ確認していません)、やはり平和共同候補の方向はムリなのかしらと見果てぬ夢をみています。民主に働きかけて教育基本法を少しでも元に近づけようという動きがあります。中心メンバーからOKとれたら、ブログ掲載またはメールでお知らせしますね。

>ayu15さん
ayu15さんの記事にもコメント書きましたが、英語は嫌いではないのですが政治関連の記事は読み慣れておらず・・・でも良い内容のようなので、後でじっくりと読んでみます。
by mai (2007-08-07 23:33) 

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