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2%の謎について [メディアの姿勢]

人生の先輩で友人であるウッピョンさんが、朝日新聞に載った参議院選挙の世論調査について、小政党に的を絞って興味深い考察をされています。了解を得て紹介します。ウッピョンさんの文章は簡潔にして鋭くポイントを突いていて、いつも感心させられます。
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朝日新聞朝刊一面トップで報じられているのは、参議院選挙の世論調査の結果である。注目すべきは「仮にいま投票するとしたら、比例区ではどの政党または政党の候補者に投票しますか」との設問です。自民党20%、民主党32%、公明党7%、共産党4%、社民党3%、国民新党1%、新党日本0%、その他の政党2%、答えない・分からない31%となっています。

この選挙について、新聞やテレビの報道姿勢である。あたかも候補者擁立しているのは「7政党」しかないがごとしである。この世論調査は7月7,8日の第一回。14、15日の第二回。そして今回21、22日の最終回と連続して行われている。
ちょっと推移をみてみよう。*自民、民主、公明、共産除く
          1回   2回   最終回
社民党       2%   3%    3%
国民新党      0%   0%    1%
新党日本      0%   0%    0%
その他の政党    2%   1%    2%

盛んに報道されている新党日本は毎回0%である。国民新党でも今回やっと1%なのである。それに引き換え、多くのメディアに全く無視されているその他の政党(4つあるが)は当初から社民党と並ぶ2%もの支持を集めていたのである。
本来2%もの支持があるのであるから、もっと詳細にその他の政党について報じるのが報道機関としてのつとめではないのか。
国民の政治に対する考え方と、報道機関とのこのギャップは何なのだろう。
記事の中でも、「各党首ら懸命の訴え」との見出しで、7政党の党首のことが書かれている。やっと1%になった国民新党については「国民新党の綿貫代表は埼玉県で『共生と競争のバランスのある良き日本を取り戻したい』」とアピールまで掲載されている。全く支持されていない新党日本ですら、「新党日本の田中代表は東京から大阪に入り、支持を訴えた。」とある。

2%もの支持のある、その他の政党に関しては全くの無視をいまだに続けている。

今からでも遅くはない、公平な報道姿勢となることを強く希望する。

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実は私もこの「2%」は気になっていました。ウッピョンさんがおっしゃる通り、社民、国民新党、新党日本に匹敵または越える支持率です。いったい、どの団体がどのくらい支持されているのでしょう?

「7政党、7政党・・・」とあたかも選択肢は7つしかないように書き続けて、下位3政党と同等の支持率の諸派たちを完全無視する。おかしくないですか?

国民の50分の1の少数意見は全く考慮しなくていいと考えているのでしょうか。賛同人としては9条ネットの割合が高いことを祈りますが、それを別にしても報道がいい加減すぎます。

ところで、こういう選挙期間中の支持率調査や議席数予想は、いつから実施されるようになったのでしょう。候補者には法律で「あれもいけない、これもいけない」とがんじがらめにして、「公正な選挙」を目指しているはずが、一方でこんなゲーム感覚の無責任な報道が横行しています。支持率だけならまだしも、大手新聞の一面に「獲得議席数予想」として党別に数字をバーンと載せるのは理解に苦しみます。

こんなことをして、ワイドショーのように大衆の興味をひきつける以上に、何かポジティブな効果があるのでしょうか。むしろアナウンス効果により、有権者の冷静な思考、投票行動を阻害する結果を引き起こすように思えてなりません。

地方選ではこんなバカな結果予想はされていないはずです。選挙期間中は有利、不利の報道を極力避けているように見えます。そして、それが正しいありかたでしょう。少なくとも有権者が自分の頭を使ってどの候補者が良いか考えるようになりやすいはずです。

いざ国政選挙になると、この節度なき事前予想。マスコミは候補者の政策や人物像など、有権者の考える資料となる情報だけを淡々と示していればよろしい!投票もされていないうちから、勝手な予想をすることはマスコミの奢りと自己満足のみならず、有権者の判断にバイアスをかける悪影響があると思います。膨大な労力を使い、競ってヘンな議席数予想を発表しなくても、29日夜〜30日になれば間違いなく正確な情報が得られることです。

*ウッピョンさんの日記です。ウッピョンの独り言


2007-07-24 00:08  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(1) 

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コメント 2

志村建世

私も「7政党以外」が気になっていたので、ようやく配布された選挙公報を見て、そこでは当然ながら4団体も公正に扱われているのを確認し、少し安心しました。しかしマスコミの扱いは、やはり不公平と言うべきだと思います。あるいは国民新党と新党日本が優遇され過ぎている印象があります。小さなスペースでも、4団体について全く解説しないのは、マスコミの職務怠慢です。
by 志村建世 (2007-07-24 18:38) 

mai

志村さん、ありがとうございます。選挙公報では各政党・団体のスペースの違いが気になったのですが(むしろ9条ネットは予想より大きかったです)、これは立候補者数などによるのでしょうか?志村さん、NHKご出身でしたね。マスコミの職務怠慢とご指摘いただき、とても心強いです。国民新党と新党日本との差は政党要件の有無ですね。それにしても、政党と確認団体とで扱いが違いすぎます。ところで、上の記事にも書きましたが9条ネットの政見放送が今晩あります。私は選挙公報よりも気に入っているので、もしよろしかったらぜひごらんください。見逃されても、実はネット上に動画があるので、また紹介します。
by mai (2007-07-24 22:49) 

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