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教育基本法から見えてきたもの(会の通信3号) [教育基本法]

私たちの会の通信3号ができました。会の名前を変えて、テーマをもっと広げようかと悩みましたが、今回は教育基本法問題での活動報告ということで、そのままの名称にしました。12月の「改正」からだいぶ日がたってしまいましたが、やっぱり教育基本法にはこだわりつづけていきたいと思っています。地域に1万5000部以上、新聞折り込みで戸別配布予定ですが、選挙期間後にした方が無難だろうという印刷屋さんのアドバイスで、統一地方選挙後半戦が終了してすぐに配布しようと思っています。ですから、ネットで先行公開?ということになります。

今回は、私はメインの文章を書いていません。仲間が臨場感あふれる報告を書いてくれたので、編集や連絡に専念しました。小さな会ですが、少しずつ輪が広がってきているのがとても嬉しいです☆

読みづらくて申し訳ありません。時間をみつけてタグを使ってもっと読みやすくしていく予定です。

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教育基本法市民の会・通信 第3号                  2007年4月

特集 教育基本法から見えてきたもの

昨秋、教育基本法の改正に疑問を持つ一般市民・保護者が作った小さな会です。これまで発行した通信1号・2号に目を通していただいた方々、見守ってくださった多くの方、ありがとうございました。また、意見や感想を寄せていただき感謝しています。
新しい教育基本法には賛否両論あると思いますが、私たちは今後予想される新法の具体化(今国会で提出予定の教育3法の変更、全国一斉学力テストの導入━本年4月24日実施予定━など)によって、国家による教育管理が強まり、学校から子どもたちと先生方の笑顔が失われることを強く懸念しています。
今回は「教育基本法から見えてきたもの」と題して、2人が活動の様子や感想をまとめました。2人ともごく普通の市民・保護者で、市民運動の経験はほとんどありません。しかし、教育基本法をきっかけに社会や政治に目を向けて勉強するうちに、教育の問題はそれにとどまらず、マスメディアの姿勢、憲法、イラク戦争、対米外交など現代日本の抱える多くの困難な課題と密接につながっていることに気づきました。
教育基本法を中心とした文章ですが、各人の心のなかにはそうした問題意識や危機感があることを感じ取っていただければと思いながら、このチラシを製作しました。   (M)

<報告1>
教育基本法との出会いは、私の民主主義の始まりでした・・・。

10月8日教育基本法改悪反対集会、迷いに迷って集会に駆けつけたこの日から私の見ていた世界は、まるで違う景色になった。
私が、教育基本法の改悪について知ったのは、昔話を学んでいた小澤俊夫先生からでした。先生は、子どもの幸せを願っているなら、子どもをとりまく世の中の流れと無縁ではいられない、特に愛国心について「政府が国を愛せといってくる時、それは私達が想像する国=ふるさとではなく、政府のやることを支持しろということだ」と指摘されていました。
とはいえ、郵政選挙での自民党の大勝、心の中では成立は止められないだろうと思っていました。けれど、もしこのさき戦争前のような世の中が来て、自分の子ども達に「あのときなぜ反対してくれなかったの。」といわれたら、どう返事をしたらいいのだろうと思うと、じっとしていられませんでした。なぎさ公園についてみると、想像したよりはたくさんの人たちが集まっていて、かなりほっとしました(800人だったと思います)。初めて、デモ行進に参加しました。
けれども、私はこの日から反対運動というものがいかに、マスコミに無視されていくか、そして、教育基本法を変えようとする動きが、実は世の中のあらゆる分野に押し寄せているかを思い知らされることになったのでした。

<ハンスト・ショック!!国会へ・・・>
 とりあえず手に入った署名用紙を自分でコピーし、おはなしをする仲間達や知り合いに署名してもらい始めました。11月3日には、品川正治さんの憲法についての講演を聴き、戦後レジームの脱却というのは、つまり戦争前の時代に日本を戻したいということだと痛感。そして、5日にある方から「反対のために国会前でハンストをしてるんだってね。」と教えられました。
ショックでした。ハンストについて、インターネットで探すうち、やっと、「教育基本法の改悪を止めよう!全国連絡会」のホームページにたどりつきました。その後は、集会も含めて3回(日比谷野外音楽堂・国会前)東京へ行きました。日比谷の集会は、8,000人。国会前をとりまくヒューマン・チェーンも4,000~5,000人が集まりいつもすごい熱気でした。けれども、どれだけ集まってもマスコミの報道は一切無し(国会に向かうタクシーの運転手さんは、「ここでどれだけの人が集まっても新聞やテレビで報道するのは見たことが無い」と言ってました)、そのことがすでに、戦時中の報道統制とまったく変わらないことに怒りと恐怖を感じます。
国会前のハンストの場所には、東京都で日の丸・君が代の強制に反対して処分された先生や支援の方達、大分からきた81歳のおばあさん、流動食の点滴をさげた車椅子の女性までおられました。私達は、いつまでこんな方達に守られ続けていくのかと思うと、自分が情けなくなりました。特に処分された先生達の話を聞くことができたのは、大きかったと思います。授業のなかで戦争責任についてとりあげて民主党の極右の都議会議員に告発され、失職された方にも会いました。教員免許の更新制度で、排除されるのはこういう方達なのだろうと思うのです。
 
<仲間とともに・・・>
この間、連絡会のリーフレットを配る、知り合いにとにかくメールで情報を伝えるということを、ずっとやり続けました。第10条(教育は直接国民に責任を負う)の削除は、国民を教育の主人公から、国に教育をされる存在に逆転させることなのに、マスコミはそのことを明確に報道しません。それならば、事実を知った者が1人でも多くの人に伝えるしかない。
メールは、所属していたメーリングリスト、自分のサークルの人、知り合いになった方に送り続けました。事実を知った人達は、国会へ行った人、議員や文部省にファツクスを送る、反対集会に参加する、国会中継をみる、駅前でビラを配る、などそれぞれができることをしていきました。滋賀県でも、教育基本法を読み学ぶ市民の会始め反対運度をしている方達に出会うことができました。12月には、全教滋賀教職員組合の方達に出会い、改悪案成立後の12月18日まで、一緒に駅前でアピールをしチラシを配りました。仕事を終えて駅前に行くと、必ず誰かが集まっていました。県庁前・あちこちのJR駅前で、抗議の座り込みやビラまきが行われていました。全国でも、報道されなかっただけで、あちこちで抗議集会や活動がおこなわれていたのです。
 
<主権者は私達!!>
基本法の改悪の背後に、福祉・医療・教育など国民の命や心に関わる公共サービスを民間の金儲けに開放し、不満は愛国心で抑えていく、国民は国家のためにある、自己責任で改革に耐えろという政策が見えてきました。地方自治体への国からの補助金・交付金の減額とともに公共サービスがやせ細っていき、税の再配分による住民生活の公平な保障が失われつつあります。そして最終目的は戦争のできる国に日本を変えること。
けれども、本当に恥ずかしいと思うのですが、この運動に参加して初めて自分が国民主権の主権者だということを実感しました。選挙には必ず行きましたが、自分の人権を守るために抗議する、議員にファツクスするなんて考えたこともなかった。
敗戦の日本で、民間人が憲法草案をGHQよりも先に作って発表し、GHQがこれを今の憲法の土台にした(押し付けられたのではない)ことが、先日NHKの特集番組「焼け跡から生まれた憲法草案」で明らかになりました。このとき、憲法草案に国民主権・人権尊重・平和主義を盛り込んだ人たちは、みな戦時中、言論の自由を奪われ弾圧された人達でした。その体験から国家を暴走させない憲法草案が生み出されたのだと思います。
今、私達は基本法改悪のプロセスのなかで、民主主義とはとてもいえない法案審議、やらせを平気で行う政府、教師・保護者・教育委員会を悪者にして国民の目をそらせるマスコミの報道などで、私たちの人権(内心の自由・表現の自由・平和に生きる権利など)がいかに形骸化されようとしているかを思い知らされました。私はこの運動と出会って初めて、民主主義を生きることの意味を学び始めたのです。今、私の頭の中でひとつの曲が流れ続けています。それは、中島みゆきの「宙船(そらふね)」。流されまいと逆らいながらふらふらと進む「宙船」は、まさに私たちの憲法であり、民主主義です。そして、その船を漕ぐ私達のオールを、私達が消えて喜ぶものに決してわたしてはならないと胸の中で確かめています。ひとりでも多くの方にこの現状を知ってもらえるように活動を続けたいと思っています。  (K)
 

<報告2>
教育基本法がまさに改悪されそうな時にこの会のことを知り、こんな運動をしている人たちがいるということに感激し、いろいろお話させてもらう機会を得ました。
私は子育てをしながら小学校の教員をしています。教育基本法改悪で世間が揺れていた頃、仕事を休んでいたので親と教員との二つの立場からこの動きを見ることができました。
 昨年の今ごろから休み始めてテレビを見ていると学校へのバッシングばかりの報道に驚きました。『問題教員』『学級崩壊』『いじめ問題』『学力低下』etc。ありとあらゆることから学校はどうなってるのだという報道がされていました。子どもたちの顔や一緒に仕事をしていた先生たちの顔が浮かび、ついこの間までいた現場はそんなに大変だったか、学校は夢も希望もないところだったかと違和感を覚えました。でもそんな報道ばかり見ていると、今度は自分が休んでる間に学校はますますしんどいところになってきているんだという気持ちに襲われるようになってくるのです。
これは大変なことだと思いました。世間の人たちを、学校は、教師は何をしているんだ、という気持ちにさせるからです。
また別の日にテレビを見ていると今度は『呆れた親たち』の特集です。こんなことまで学校にいちゃもんをつけてくる親がいる。一体、今の親ってどうなってるんだという報道です。学校が大変になるのも先生の苦労もわからないでもないよという雰囲気で番組が進んでいきます。
 ちょっと待ってと私は思いました。教育現場が大変になっているのは教師が怠けているからでしょうか。自分勝手な親が増えてきているからでしょうか。子どもたちが変わってきているからでしょうか。違うはずです。国の教育政策が誤っていたのにそれを反省もせず、実は恐ろしいねらいを持った教育基本法改悪に結び付けたことは絶対許せません。
私の一番上の子どもは、この三月に小学校を卒業します。のんびりした子で小学校入学の時は、本当にやっていけるか、友だちはできるのかと情けないくらい心配しオロオロしていました。今、反抗期真っ最中で、親の言いなりにならず自分を主張する姿に大きくなったもんだなとしみじみ感じています。二番目の子どもは三年生。三年生になってから欲がでてきたようで、自分からいろんなことをがんばろうとしている姿がよく見られるようになってきました。
慌ただしい毎日ばかりを過ごしていると気づきにくいけれど、一年や三年、六年などの長い時間で振り返ると子どもの成長がよくわかります。この成長は家だけで得られるものではありません。学校があってこそです。いろんな友だちや先生と出会い、勉強したり遊んだりする中で、自分を知り人を知り大きくなっていってくれるのだと思います。だから私はいろんな人と出会える学校であってほしい、教室のみんなで学び合う学校でほしい。学校って楽しいと子どもたちが思える学校であってほしいと思っています。新しい教育基本法は、そんなに贅沢ではない私の願いを踏みにじるものだと思っています。
親であり教師でもある私は、親と教師の願いは同じということを知っています。みんな子どもの幸せを願っているのです。教育基本法は変えられてしまったけれど、子どもたちの幸せのために、親として学校や先生と手をつなぎ、教師として親と手をつないでいこうと思います。大人が手をつなぎ、未来を生きる子どもたちへの責任を果たす時だと思っています。  (A)

ご意見・感想をお寄せください。全額自費でやっている小さな会ですので、趣旨に賛同してくださる方、カンパも大歓迎です。

連絡先
〒520-0860
大津市打出浜1−4大津中央郵便局留
「教育基本法を読み学ぶ市民の会in 滋賀」
(略称:教基法市民の会 in 滋賀)
mail:kyoikushiminnnokai_in_shiga@yahoo.co.jp
TEL 080−6143−4051(事務局)

 









2007-04-12 11:42  nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 

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おおくにあきこ

通信3号の発刊、おめでとうございます! 文章のひとつひとつに深く共感しました。私たちのプロジェクトは、教育基本法改定後にようやく気づいて立ち上げました。でも、47年教育基本法は今も私たちの心の中に息づいています。改悪されても、私たちの内心にまで立ち入ることは誰にもできないと思うから。この週末、代々木公園で行なわれるearth dayでは、絵本「11の約束」を販売して、47年教育基本法をもっともっと広めていくつもりです! これからも、つながりながらがんばっていきましょう!
by おおくにあきこ (2007-04-18 23:48) 

mai

おおくにさん、こんにちは。earth dayの準備でお忙しいことと思います。もっと近かったら絶対行くのですが、楽しく実りあるイベントであることを遠方よりお祈りします。読みづらいレイアウトの文章を読んでいただき、どうもありがとうございます。<報告1>の友人、パワフルでしょう!関西からパーッと東京へ行って、集会に出て知り合いをたくさん作って、その方々とつながってずっと活動を続けています。もちろん!47年教育基本法は私たちのなかで生き続けています。いつか、元に戻すことができるように、頑張っていきましょう。
by mai (2007-04-20 12:55) 

タマラ

まいさん、この通信ずしんと重みがありますね。
これからも教育問題がんばっていきましょう。
子供たちのためだからこそ、がんばろうという気持ちも強くなります。教育は常に未来を焦点にあてて行われるものだから、その重要さははかりしれません。教育基本法の改定で、多くの人にとって教育基本法を見直すきっかけになったことは救いです。大人が社会は変えられない、とあきらめてしまったら子供はどうすればいいのでしょう。
それを思えばあきらめるわけにはいきませんね!
by タマラ (2007-04-20 16:05) 

mai

タマラさん、ありがとうございます。報告1を書いてくれた友人は後でゲラを読んで「我ながら重苦しい文章だ」と苦笑していました。でも、友人の文章はものすごく的確で、あの頃のいやな空気を見事に捉えていると思います(そしていまもその方向は変わっていませんね)。タマラさんがおっしゃるとおり、今回の騒動がなかったら、私はたぶん一生教育基本法を読んでなかったと思います。そう思うと、個人的には得るものは大きかったのですが。子どもたちの将来にかかわることだから、頑張るしかないと思っています。変な時代に生まれ合わせて、偏った教育を受けなければならない子どもたちが本当にかわいそうです。そして、その子たちが担う日本の将来を考えると・・・絶対にあきらめません。捨て身で頑張ります!(でも、家庭では笑顔でいたい・・・これがけっこう難しいのです(苦笑))
by mai (2007-04-21 21:23) 

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